内容説明
勝海舟を妻たみの視点で描くシリーズ第1作。
辰巳芸者のおたみは、贔屓にしてくれている函館の豪商渋田利右衛門の席で幼馴染みの勝麟太郎と再会する。麟太郎は、野犬に襲われたおたみを命懸けで助けたことがあった。蘭学を修業中の麟太郎は、おたみに惚れて一緒になろうと言ってくる。無理な話と諦めていたおたみの所に、ある日麟太郎の父小吉がやってきた。小吉には気に入られ姑のお信にはいい顔をされなかったが、二人は祝言を挙げ、溜池のあばら屋に所帯を持った。新婚生活はしばらくすると薪を買う金もなくなり、天井板をはがして使うようになった。
麟太郎は、蘭和辞典「ヅーフ・ハルマ」を1年借り受け、2部写本を作る作業を始めた。1冊を自分の学問用に、1冊は高額で売ることで家計が潤うのだが、毎月500枚を移すという難作業を、おたみも協力することで成し遂げることができた。
一家は3人の子どもに恵まれ、小吉の死後は母親お信と麟太郎の妹お順が同居してきた。
麟太郎は大砲作りを指導したあと、幕府に取り立てられ、海軍伝習所に勤め、さらには咸臨丸に乗船してアメリカに行くことに。麟太郎は、夢に向かって突き進んでいた。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
真理そら
54
たみは薪炭商の娘だが深川芸者と言う設定で描かれている。海舟とたみのなれそめから貧乏時代を描いている、シリーズ物になるらしいので今後のたみの頑張りが楽しみ。既に長崎に女ができた気配にやきもきするたみ。海舟が子供の頃に犬に襲われた逸話がさりげなく登場する。その時のケガで機能を心配している描写は、海舟の女癖を思うと笑えてくる。2020/01/14
ソフィ
1
おんな心全開のおたみがかわいい。一方、海舟はやんちゃくさい感じでお似合い。佐久間象山が独断で御殿山に大砲を据えて松代藩士を警備にあたらせる許可をとったとは知らなかった。「御公犠の敵はアメリカ人じゃなくて理屈のわからねえ日本人かもしれねえ」に激しくうなずく。2024/11/15
Akiko Nakano
0
そうなんですね。シリーズになるのですか?幕末好きには面白い話です。それにしても、家茂が長生きしていたら、また歴史は大きく変わったかもしれませんねー。2023/03/18
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