内容説明
若き役人の周囲にはあやかしがいっぱい!?
紫微国の西の果てにある侶州の役人として任地へ赴いた脩徳は、そこが「太陽と月が眠るところ」と呼ばれる辺境で、さらには魑魅魍魎が跋扈する土地だと知って、すっかり意気消沈してしまう。そもそも脩徳は昔から運の悪い男だった。彼の人生には、まるで何かに取り憑かれたように、次々と間の悪い不幸が押し寄せる。しかしそれこそが、脩徳が(本人の意思に反して)人外の者たちに愛されてしまう理由でもあるのだった。
さて、若くして国の難関試験を通過した脩徳は、ときの皇帝にまで篤く目をかけられたエリートのはずなのだが、今日も今日とて赴任先では人外のモノたちに絡まれて、およそ平穏とはかけ離れた生活を送っていた。
ある日、侶州における幕僚でもある生意気な少年――実際には数百年を生きる遊翼の虎――である天祥利らとともに紫微国の都から侶州へ戻る道すがら、脩徳は許郷という城市に逗留することになった。そこで生まれて初めて賭場へ足を踏み入れた脩徳は、不幸体質を発動して賭けに大負けしてしまう。借金のカタに真夜中に開かれる「鬼市」へ潜入することになった脩徳と祥利は……。
絶品中華ファンタジー、怒濤の第2弾!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あっか
64
シリーズ第2巻、新刊。1巻目を上回る、思わず声に出して笑ってしまう面白さでした!由羅カイリ先生の美しい表紙の人物は脩徳?ぷぷ♡笑 前巻終わって直後から話がスタートします。今回も脩徳が巻き込まれる怪異が多々。側近たちがやっぱり頼りになります。甘さゼロなのに楽しめる中華風ファンタジーもわたしにとっては珍しくて嬉しい。皇太后など新たな気になる登場人物も出てきたし、逆に玄齢は相変わらず謎だらけだし、次巻が早くも楽しみです。今後、畠中先生のしゃばけシリーズのように長く続いてほしいなあ。2019/10/29
よっち
30
紫微国の都から侶州へ戻る道すがら、許郷にて生まれて初めて賭場に足を踏み入れた脩徳が、大負けした借金のカタに真夜中に開かれる「鬼市」へと潜入する第二弾。ちょっと勝って調子に乗って大負け、怖い目に遭ったのに人助けをし、夫婦喧嘩に巻き込まれた挙句に八つ当たりされ、さらには金蚕まで押し付けられそうになるお人好し極まれりな脩徳には苦笑いでしたけど、何というかほんとに欲しいものは手に入らない感はありますが、その身の丈にあった現実を見ればそこそこ幸せになれそうな気もするんですけどね…。でもそれがなかなか難しいジレンマ。2019/11/26
花宴
6
シリーズ第2弾。前作では皇帝の10歳の妹に見初められてしまった脩徳ですが、今回は更にお近づきになってはいけない人に気に入られてしまい…。やはりどうしてもトラブルに巻き込まれてしまう…先が思いやられます。2020/12/31
紅羽
5
シリーズ二作目。ツイてない男、脩徳。またもや様々なトラブルに巻き込まれ、命の危機に遭遇。お人好しが仇となり、報われる事がないのが哀れです。続きも楽しみです。2020/09/09
まろん
2
★★★★☆ 一巻を読んだ時は微妙に思えた主人公脩徳のダメさ加減も、なんだか逆に微笑ましくなってきた。バカで単純でお人好しで情けなくて小心者。何か良いとこ無いけど、おおらかであまり負の感情を持続させないのはいいところ。同期に毒殺されそうになったり、皇帝に嫉妬のあまり八つ当たりされたり、面白かった。続きも是非読みたい‼2019/11/19
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