内容説明
言葉と行動であらわした「象徴のかたち」
他者を思い、ときに傷つきながらも寄り添う。国民は、そこに献身と真心を見た。
その積み重ねと強い意志――
皇室担当記者が現場で取材した、平成の天皇、皇后の公務や身辺の出来事を、時系列順に50あまりのコラムにし、「国民の象徴」を達成した30年を振り返る。退位までの道のりをその背景も含めて検証したドキュメントと、半藤一利氏、保阪正康氏、渡辺允氏の解雇鼎談も収録。おふたりのときどきの事跡を撮影した写真も約50点ほど収録する。
先例のないおつとめを果たされ退位されるまでの30年間を、小さなエピソードで微視的に目をこらして振り返ることで、興味のあるところから拾い読みしていくと、「国民の象徴」とは何かを読者ひとりひとりに考えさせる本であることは間違いない。
日本経済新聞朝刊社会面に2018年4月7日から改元直前の2019年4月27日まで1年間、毎週土曜日に連載されていた「平成の天皇と皇后 30年の歩み」、待望の書籍化。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
梅干を食べながら散歩をするのが好き「寝物語」
6
上皇陛下、上皇后陛下が深い思考と確固とした信念に基づいて、その立場を歩んでこられた事が非常によくわかった。 主に平成に入ってからのエピソードや言動をもとに象徴天皇のあり方について分析が進む内容だ。新聞社による取材が素材として取り上げられてるだけあり、表だけではなく裏の事情もきちんと含まれた形で事柄が説明されている。だから非常に生々しく、その内容が迫ってきた。 新聞の連載コラムや対談などを中心に構成されているので、リズミカルに読み終える事ができた。天皇関係の最新刊としてお勧めしたい本である。2019/10/21