内容説明
人はなぜ「樹海」に惹かれるのか。
富士の裾野に広がる巨大な森林であり、
都市伝説のイメージで覆われた秘奥の場所
――「青木ヶ原樹海」。
20年間にわたり総計で100回現場を訪れる
第一人者がその真実に迫る。
自殺の名所としてホラー・怪談好きには
有名なスポットであり、ハリウッド映画の題材となり、
またYoutubeの動画拡散事件により騒動が起きた
ことも記憶に新しい「樹海」。
本書では、樹海の成立、歴史的背景から樹海に眠る廃墟、
遺物、信仰、探索に必要な装備や向かい方などを網羅する。
最前線から伝える、樹海ノンフィクション決定版。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ
195
樹海。この響きに人はなぜ恐れてしまうのだろう。自然の森とは印象が異なる。それは方位磁石が壊れ、倒木が多く、溶岩が剥き出しになっているからだろうか。よく見ると綺麗で美しい森である。苔やシダ、レアなきのこが数多く生えている。恐らく、◯◯の名所になってしまったからなのだろう。樹海を歩き慣れている著者の村田らむさん自身も幾度か迷子になり焦ったという。また、文中に出てくるK氏の行動は恐るべしである。観光客が集まる富士山周辺の地の奇妙な雰囲気を深堀りする本。そこに足を踏み入れれば、人間という存在の小ささを知るという。2023/12/20
honyomuhito
81
著者は樹海コーディネーターとして語りかける。樹海いかがっすか~そんなには危なくないですよ~。でも時々ちゃんと死体ありますよ~。サブカルとしての樹海を売り物にするためのわかりやすいハウツー本である。本書の中で著者は「それは儲からないからやらない」というむきの発言をしている箇所がある。樹海自体を面白がっているのはさておき、あくまで商品として扱う様子がある意味潔く「食えないものを商売にしたって仕方ないでしょ」という強い生者の力を感じるのである。https://chirakattahondana.com/樹海考/2019/09/01
kinkin
81
著者は青木ヶ原樹海への取材は100回ほどにのぼり20年以上続けているそうだ。樹海の成立、歴史的背景から樹海に眠る廃墟、遺物、信仰、探索に必要な装備など樹海ノンフィクション(以上見開きより)後半は樹海の暗部_都市伝説としての「樹海」には樹海の死体マニアのK氏と樹海の中を歩く描写。死体を見ながらパンを食べるK氏という人が出てくる。このあたり、ダメなひとは読まないほうがいいのかも。樹海といえば自殺の名所という紋切り型の思い込みを少しだか違う面が感じられた。図書館本2018/11/01
キク
67
「樹海考」となっているけど、正直そこまで深く考えてはいない。ただまぁ、樹海のライトな解説本だと捉えると、まとまっているとは思う。「コンパスが効かないというのはデマ」「出れなくて死ぬことはない。じゃあなんで樹海で自殺者が多いかといえば、『自殺スポット』として有名だから自殺志願者が集まってくる」「なんで観光地の近くで樹海が手つかずで残っているかといえば、富士山の噴火で流れた溶岩が固まって地盤を固めているので、開発が進んでいない」「遊歩道や登山道はすごく整備されている!」おお、そうなんだ。よし、行ってみよう。2023/01/13
Kazitu
46
青木ヶ原樹海は、自殺の名所となってしまったが、違う面からみると、観光地ではある。 富士山噴火の溶岩流によって作られた溶岩洞窟がある。 行ってみたいな、山梨県。富士山にも。😁2022/03/28
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