内容説明
原発に象徴されるのは現代の科学物質文明で、ジャングルに象徴されるのは物質文明に侵されていない民の生活。ジャングルの民は豊かではないが、共同体の信頼のもと朗らかに暮らしている。文明か未開か、進歩か後退か、という二元論ではなくて、便利さや科学の進歩を肯定しながら、真の仲間を作ることが可能か。
近代の意味を様々な角度から考えてきた著者が、エヴェレット『ピダハン』、カルロ・レーヴィ『キリストはエボリに止まりぬ』、ハンナ・アーレント『人間の条件』など、さまざまな書物をひもときながら、近代の普遍的な問題を問う。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きいち
28
87歳?何だかやっぱり、すごいカッコイイ。◇事実を積み重ね、論理を貫徹したうえでなお、「必然のワナから自覚的に抜け出せるのでなくては、人間に生まれた甲斐がないと思う」。だから、技術、幸福、国家、職業…、社会や組織の一員としての在り方ではなく、何者でもない、ただの人間としての自己の在り方が優先される。そんな様が、何通りも変奏されて語られる。◇『逝きし世の面影』の思想史家であり、石牟礼道子の伴奏者であり、在野の学び手渡辺の、熊本震災後の様々な文章たち。過去も現在もとてもおもしろい、もっといろいろ読んでみたい。2018/07/02
Tsubasa Kato
0
「原発というエネルギー発生装置が出現したのは人類史の必然=自然過程だったとしても、放射性物質を他のエネルギー源に替えることはわれわれ人間の自由な選択に属する」(26) 2019/05/19
きらら虫
0
最初の「ジャングルと原発」「原始的正義と国家」「労働と交わり」、どれも頷きながら読んだ。「私の夢地図」も面白かった。 とさりげなく書くわけですが、実はこの本、私の座右の書になると思います。それほど深くて示唆に富んだ本です。2018/07/15
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