内容説明
1970年代後半に西武百貨店の書籍売場としてスタートし、2015年7月、多くの人に惜しまれつつ閉店を迎えた「リブロ池袋本店」――およそ40年の歴史を、その最後の日までともに歩んだ著者が綴る〈もうひとつのリブロ史〉。池波正太郎をはじめ、吉村昭、津村節子、北方謙三、大沢在昌ら作家との交流や、一癖も二癖もある書店員たち・お客様たち、時代を読んで仕掛け続けたブックフェアの数々を辿りつつ、これからの書店文化への願いを込めたメッセージを送る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
milk tea
30
2015年の閉店までリブロと共に人生を歩んできた菊池氏の軌跡。彼のアイデアの塊、機転、人脈の素晴らしさがそこにはあった。池袋本店は、ホントに活気があって足を運ぶのにもワクワク感があった。リブロの閉店後、荻窪にあるTItleという書店を開業した方のところに一度行ってみたいと思う。HPでは、とても温かみがあるように見えた。2019/07/03
阿部義彦
25
晶文社新刊です。2015年7月に惜しまれつつ歴史を閉じた、「リブロ池袋本店」その歴史と様々なイベントそして何よりもこの店に関わった人々達を閉店時には執行役員店長を務めた菊池壮一さんが生き生きと描き出しました。趣味書コーナーを独立させ、アート、カルチャー、そして何よりも個性的なイベントを仕掛け、書店文化の基礎を築きました。最後まで統括マネージャーを務めた辻山良雄は今は荻窪で「Title」を開いてます。もはや大手取次の存在意義は無いに等しい。一人出版社のミシマ社やナナロク社の本の方が面白いんだもの。過去の物語2018/10/20
緋莢
17
池袋西武の書籍売り場が「西武ブックセンター」としてオープンして二年後に新入社員として配属、その後、様々な店舗に関わり、2015年の池袋リブロ本店閉店時には執行役員店長をつとめた店長がリブロの歴史と、これからの書店について書いています。池波正太郎と交流があり、「編集者の中に、あんなに大胆にものを言える人間はいない」と、何か言いづらいことがあると著者を経由してという事もあったそうです。池袋本店の閉店に関しても、西武百貨店に都合のいい内容の契約を結んだ段階で予兆はあったようで(続く2020/10/10
チェアー
15
私的リブロ戦記。リブロは堤清二という文化の本質を共有できる稀有な経営者のもとで誕生した。その盛衰は、自分と本の関わりを見ているようだった。リアル書店や紙の本でしかできないこと、できない体験というのはなんなのか考える。もっと池袋本店の様子を見ておけばよかった。2019/01/18
スプリント
14
リブロの特に池袋本店の歴史とエピソードが詳しく語られています。記憶に残っている企画展も数多く掲載されていて懐かしく思いました。ただ単に本を並べるのではない攻めの書店だった印象です。本屋は好きでなければやっていられない職種になってしまったんだなと改めて実感しました。2018/12/31