内容説明
文学の長い歴史のなかで成長を続けた小説ジャンルといえども、20世紀になるとその地位がゆらぎ、あたかも生命体のごとくに、老化衰退の様相を呈し始める。その間、自伝ジャンルは、「私」のイメージの拡大とともに、目ざましい急成長をとげる。本書は、自伝ジャンルこそ20世紀文学の中核的位置を占めるものである、という主張を基軸に執筆された、著者畢生の自伝論である。芸術選奨受賞作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
halow
1
勘繰りや牽強付会など、批評行為のいかがわしさを隠そうとしない、というか前面に押し出した分析を行っており、それ自体が自伝というものに向き合うのに相応しい態度なのかもしれないな、とも思えた。終章で示される見取り図はやや性急に書かれた印象があり、自伝論を期待するよりも、著者の語り口の面白さを楽しむのが良い本なのかと思う。2025/08/12
山天
0
自伝の評論集。様々な人物の自伝が取り上げられているが、一番興味を持ったのはハヴロック・エリスの『わが生涯』に対する批評。エリスの「性心理」への関心が、どこから来るのか探索している。それは自伝に書かれなかった部分であり、その発見こそが自伝を読む楽しみなのだろう。2026/02/25
くじらい
0
めっぽう面白い。ユングと柳田国男が同世代人であるとか。2025/10/06




