内容説明
愛なき結婚と人は言う。ならば、この胸のうずきを何と呼ぶの?
21歳のランツァは幼なじみの婚約者を事故で失った。親が決めた結婚から解放され、心の中で密かに安堵していたある日、運命は再び強いられる。亡き許婚の兄ステファノと結婚しろというのだ。しょせん、私は政略結婚の道具。自由に生きる権利はないのね……。病を患う父を喜ばせたい一心で、ランツァはその命令に従った。1年後、結婚式でようやくまともに顔を合わせたステファノは、昔と変わらぬ端整な容貌に大人の魅力をまとい、眩しいくらいだった。そう、ランツァは幼き日から、本当はこの兄のほうが好きだったのだ。だが、人知れず頬を染めるランツァに、ステファノは事務的に告げた。これはあくまでも形だけの結婚で、寝室は別だと。
■人気作家がきらめく真冬のヨーロッパを舞台に描く、ゴージャスなラブストーリーをお楽しみください。可憐で健気なヒロインを、思わず応援したくなります!
感想・レビュー
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糸車
17
プリンセスとして政略結婚を受け入れる覚悟をしたヒロイン。幼馴染みの婚約者が急死し、兄であるヒーローと結婚することになり…。はっきり言ってヒーローは身勝手だし考えなし。弟のおかげで王家の義務を果たすこともなく好きな仕事をさせてもらい、降って沸いた縁談に友人のアドバイスをそのまま手紙に書いて一年間ヒロインをほったらかし。もうちょっと相手への配慮はないのか。結婚式当日までヒロインを放置しながら掌を返すように普通の夫婦になりたいって?せめてきちんと求愛くらいしましょうよ。ああ、暴言吐きたくなる〜。2021/02/26