内容説明
2004年6月、イラクの武装組織に日本人5人が拉致された。商社勤務の橋本優樹はバグダッドへ向かう途中だった。組織の要求は、自衛隊のイラクからの撤退だ。日本政府はその要求を拒否、予告された処刑の日が迫ってくる。憎しみ合いと、殺し合いの果てにたどり着くのはどこなのか。人と人は分かり合えないのか。人間の生き方を問う、渾身の傑作長編小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
TT
2
中東の武装組織に誘拐された5人の日本人たち。 日本では自己責任論が跋扈する。 欧米側ではなく、中東側に軸を置き、彼らのおかれた状況と被害者たちの心情が迫ってきてつらい場面が多かった。 メディアが流した自己責任論は罪深く、洗脳されていた自分を猛省しました。2025/09/21
けろっぴ
2
石井さんの作品を読むと自分がいかに安全な世界で暮らしているのかがよくわかる。 安っぽい同情などいらない世界。 今回の作品も2004年にあった誘拐事件を思い起こさせる。 様々な事情で戦地にきた日本人5名。処刑されるもの解放されるもの、それぞれの道をたどる。 「なんて残虐なことを」と憤る気持ちはあれど、彼らは彼らで祖国を平和な世界に戻したいとの一心で行っていること。 テロは決して許されるものではないが、世界が平和になるにはどうしたらいいのだろう。 心をぎゅっとされる一冊だった。2025/03/21
生ける屍 reading_dead
2
2004年、米軍占領下のイラク、ファルージャ。 “首切りアリ”と恐れられる頭領率いるイラク聖戦旅団に捕らわれた5人の日本人。 要求は自衛隊の撤退。 刻一刻と迫り来る処刑。 人質を解放するために奔走する人々。 負の連鎖。 終わりのない戦い。 中東情勢が解り易い。 紛糾する「人質は自己責任」論。 現地の事を何も知らないから、安全圏で勝手な事を言えるのだ。 日本政府の対応と世論はリアリズムに徹してて、 日本人であることを見つめ直すのに良い物語だ。 あくまで小説だが、 著者の綿密な取材による物語は読み応えあり。2025/02/06




