光文社文庫<br> バラ色の未来

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光文社文庫
バラ色の未来

  • 著者名:真山仁
  • 価格 ¥935(本体¥850)
  • 光文社(2019/09発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784334778859
  • NDC分類:913.6

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内容説明

カジノ誘致に失敗し、身を滅ぼした元町長の鈴木一郎は、総理官邸前で「大嘘つき!」と叫んだ。東西新聞社の記者・結城洋子は、彼の境遇を知り、統合型リゾートの暗部を探る。だが、社の内外で無数の壁に阻まれ取材は難航。一方、華やかな表舞台の裏側では、それぞれの思惑を抱えた政治家や外資系企業が蠢いていた。記者たちは矜持にかけて、闇に潜む真相の解明に挑む!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

鉄之助

192
IRがらみの贈収賄事件で衆議院議員が逮捕…こんな現実を予言したかのような小説、だった。 さすが『ハゲタカ』の真山仁、一気に物語に引きずり込まれてしまった。舞台は、青森と山口の架空の町で、IRの利権をめぐって中国企業などからの巨額資金が踊る。真山の取材が微に入り細を穿つが如し。青森市内で全国紙の支局員が、夜中行く中華料理店として「午前一時前の、王民(わんみ、本物は王味でわんみ)で食べる醤油ラーメンと餃子」が登場。思わずうなってしまった。地元民にとって大いなるアルアル。『バラ色の未来』なる皮肉が効いている2020/01/07

となりのトウシロウ

54
地域経済ひいては日本経済発展の起爆剤と言われる統合型リゾートIR。そんなバラ色の未来を夢見た政治家や候補地の地元住民達。IR誘致に失敗した元町長がホームレスになり命を落とす。国内初IRカナルベイかぐやリゾート、そのカジノでギャンブル依存症により一家心中する人も出る。東西新聞社の結城洋子を始めそれぞれの地域の記者達が華やかなIRの裏で蠢く闇を暴くべく真相の解明に挑む物語。政府の公式発表だけを報道するのではなく、独自の取材に基づく調査報道が生々しくそして活きいきと描かれ引き込まれた。面白かったです。2021/11/14

てつ

48
横浜市が誘致を明確にしIRが話題になっている昨今、タイムリーに読めた。IRの負の面をギャンブル依存症に絞っている感があるが、もう少し視野を拡げて描いてもらえればもっと良かったのですが。2019/08/25

ミスターテリ―(飛雲)

38
総理の後ろ盾の肝いりで、元IR候補地の青森の町長が、なぜかホームレスとなり公園で亡くなる。その情報をキャッチした記者たちは鮮やかな連携プレーで夕刊の記事に。その小気味良いテンポが、この作品の完成度や記者たちの活躍を期待させる。日本最初のIRは青森か山口か。その駆け引きや、裏で暗躍する広告代理店、利権に群がる企業などがリアルに描かれる、当然賛成派だけでなく、ギャンブル依存症を糾弾する新聞記者たちの活躍も、果たしてIRの誘致は地方にバラ色の未来を運んでくるのか。タイムリーな内容で読み応えがあり面白かった。2022/02/26

ぷう蔵

38
これをリアルと言ってはいけないんだろうが、こんな事が起きているのではとも思わせる内容である。世界的に見ればこんなこと当たり前のように行われているんだろう。我が国もIR推進、法整備進行中。どこぞの先生がン百万貰ったとかなんてゴミみたいな出来事、どうでもいいような奴だから隠す訳でも庇う訳でもない。まあ蜥蜴の尻尾きりというか、ガス抜きって事ね。後ろにはニヤニヤしている自分を大物と思っているお友達大好きな小物が居るのでしょうか?そういう意味では極めてリアルな話なのかもしれない。でも本の方がちゃんと大物で羨ましい。2020/03/12

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