内容説明
古代から今まで連綿と伝わる和歌文化。現代でも和歌に触れ、鑑賞する機会は多々あるものの、各時代、実際にどのように詠まれ、和歌が人々の暮らしの中でどのような役割を果たしていたのかは意外と知られてません。本書は、個々の和歌の解釈や修辞に注目するのではなく、日本人が和歌とどのように触れ合ってきたのかを探り、現代生活にも通じる親しみやすい内容で和歌の文化史をたどります。イラストでわかりやすく解説します。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
シャコタンブルー
27
百人一首は時たま読み返すが、いつも遥かなる悠久の時代の一時を共有する至福を感じる。和歌は恋だけでなく、出世、仕事、愚痴、妬み等イロイロあり、歌によりそれを表現してきた先人の叡智に感嘆する。特に面白かったのは戦国時代の和歌で「寝るが内に心休めず蚊の鳴くを敵の寄せ来る鬨の声かと」「野附して敵に向かえる膝頭振るを冬に負ほせてしがな」 勇猛果敢なイメージの武士も蚊の鳴く音にビビる、何とも人間らしくて愉快になる。戦乱の時代の極限状況でも和歌を詠み、残す、その信念は素晴らしきかな 2019/10/09
S.Mori
17
和歌の文学的な要素だけではなく、社会的生活的な要素も詳しく解説しており、面白い本でした。芸術のために歌を詠むだけではなく、日常のコミュニケーションを円滑にするために昔の日本では和歌が作られました。例えば、遠くへ行く人のための餞の歌があります。悲しんでいる人を慰めるための歌も作られています。この本に載っている平定文が伊勢に送った「思ふより言ふはおろかになりぬれば喩へて言はむ言の葉ぞなき」は味わい深いです。子供を亡くして悲しんでいるあなたに、どんな言葉もかけられない、という真摯な同情の気持ちが伝わります。2020/01/11
Tadashi_N
16
三十一文字に込められた文化、教訓、ラブレター。2023/04/14
寿児郎
5
元予備校講師・葛西佑也氏のnoteを拝読して購入。 古代の和歌(恋・仕事・慶弔・人付き合いなど)から、中世の武士が詠んだ和歌、商家の家訓や死刑囚の短歌、漂流した冒険家の俳句まで、「和歌」とは呼べなさそうなものまで幅広く取り上げながら、この短い定型詩の力を魅力的に紹介している。 「詩集や歌集は(略)心に残る作が一つか二つあれば、それでいい」(p.189)という言葉がとても素敵だった。 本書を読み、もっと五音と七音の定型を大切にしようと思った。2021/03/29
396ay
3
めちゃくちゃ分かりやすい、一般の人向けに書かれた和歌の入門書。めちゃめちゃにわかりやすい。2020/04/05
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