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内容説明
第一章 茶事懐石の成立
茶会の成立/天文年間の草庵茶会/『酒飯論絵巻』と『長歌茶湯物語』の食事風俗/茶会の種類と刻限/会席の成立/中段・後段のこと/初期茶会記の献立/会席料理の材料
第二章 利休の懐石
懐石の由来/利休の登場/一汁三菜に徹した利休茶会/利休茶会の献立/利休の使用した膳椀/利休懐石の材料
第三章 膳の上の構成―二菜から一菜へ
折敷上は二菜の時代/利休から織部の時代へ―二菜から一菜へ
第四章 茶会の菓子考
菓子の二つの淵源―本膳料理と禅院茶礼/本膳料理にみる菓子/禅院茶礼にみる菓子/初期茶会記の菓子/麩と煎餅/菓子と惣菓子―キントン/江戸時代の茶会菓子総覧/『御茶湯之記』/『茶湯献立指南』
第五章 利休懐石の継承
向付の定着と取り合わせ/利休の「わび仕立」を守った古田織部/極わびの趣向―道安と少庵/大名茶の懐石/千宗旦と高弟たち/予楽院近衛家熙の茶会
第六章 利休懐石の新たな展開
献と膳―椀から向付へ/「向付」の展開―四つ椀から向付/「後段」の復興/「煮合せ物」から「煮物」へ/後段から千鳥の盃へ
第七章 懐石の定型化
年忌の茶会/『茶式花月集』と『喫茶送迎記』にみる懐石の様相/『茶湯一会集』にみる懐石
第八章 近代の茶事 懐石から点心へ
維新直後の茶道界/懐石から点心へ/近代数寄者の茶事/懐石の現代―継承と展開/鈍翁茶会―蕎麦茶事の継承/「だし」と「うま味」―井上世外の味覚/小林逸翁の丼茶会
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
俊介
15
千利休の時代の懐石についての本の決定版みたいなタイトルなので期待して読んだが、少し学術的過ぎて読み辛く、一般向けとは言い難かった。著者は優れた懐石の研究者であり、本書も文献的考証を尽くしているので、もちろん資料としては貴重ではあるが、観点が高尚すぎて純粋に楽しめない。もっと、この時代はこんな食材使ってたんだ斬新!美味しそう!とかいうような素朴な観点の方が、懐石の素晴らしき豊穣な世界(精神も含め)をよりよく理解できると思うんだけどなぁ。まあ頑張って読んで勉強にはなりましたけど。2020/06/26