人口減少社会のデザイン

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人口減少社会のデザイン

  • 著者名:広井良典【著】
  • 価格 ¥1,980(本体¥1,800)
  • 東洋経済新報社(2019/09発売)
  • ポイント 18pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784492396476

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内容説明

「都市集中型」か、「地方分散型」か。
東京一極集中・地方衰退→格差拡大→財政は改善?
地方への人口分散→格差縮小・幸福感増大→財政は悪化?
果たして、第3の道はあるのか。

2050年、日本は持続可能か?
「日立京大ラボ」のAIが導き出した未来シナリオと選択とは。

借金の先送り、格差拡大、社会的孤立の進行……
転換を図るための10の論点と提言。


「集団で一本の道を登る時代」―昭和
「失われた30年」―平成
そして、「人口減少社会」―令和が始まった
「拡大・成長」という「成功体験」幻想を追い続け、
「先送り」されてきた、「持続可能な社会」モデルを探る。


社会保障や環境、医療、都市・地域に関する政策研究から、時間、ケア、死生観等をめぐる哲学的考察まで
ジャンルを横断した研究や発言を続けてきた第一人者による10の論点と提言

①将来世代への借金のツケ回しを早急に解消
②「人生前半の社会保障」、若い世代への支援強化
③「多極集中」社会の実現と、「歩いて楽しめる」まちづくり
④「都市と農村の持続可能な相互依存」を実現する様々な再分配システムの導入
⑤企業行動ないし経営理念の軸足は「拡大・成長」から「持続可能性」へ
⑥「生命」を軸とした「ポスト情報化」分散型社会システムの構想
⑦21世紀「グローバル定常型社会」のフロントランナー日本としての発信
⑧環境・福祉・経済が調和した「持続可能な福祉社会」モデルの実現
⑨「福祉思想」の再構築、“鎮守の森”に近代的「個人」を融合した「倫理」の確立
⑩人類史「3度目の定常化」時代、新たな「地球倫理」の創発と深化

目次

イントロダクション:AIが示す日本社会の未来--2050年、日本は持続可能か?
第1章 人口減少社会の意味--日本・世界・地球
第2章 コミュニティとまちづくり・地域再生
第3章 人類史の中の人口減少・ポスト成長社会
第4章 社会保障と資本主義の進化
第5章 医療への新たな視点
第6章 死生観の再構築
第7章 持続可能な福祉社会--地球倫理の可能性
参考文献
あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おさむ

45
社会保障の大家、広井先生の集大成。これまでの著作をベースに人口減少社会を迎えた日本をどうリデザインしていくべきかを説く。人生前半の社会保障の充実や、多極集中の実現と歩いて楽しめるまちづくり、都市と農村におけるさまざまな再分配システムの導入など、実践的な提案は一読に値する。先進国で最も社会的孤立度が高い国になった日本。その解決にはコミュニティの復活が欠かせない。全国にそれぞれ8万ある寺や神社(ちなみにコンビニは6万)を新コミュニティの核とする構想は先祖返りの感があるが、回り回って元に戻るというのは興味深い。2019/12/17

速読おやじ

37
国民全体が一つの方向に向かっていた高度成長期に多くの人口が都会に流れた。現在の地方の人口減少問題はその負の遺産との側面が大きい。最近の若者はローカル志向でダメだみたいな事を言う人といるが、逆に良い兆しなのかもしれない。理想的な地方都市は欧州に多い。車と人が分離されているのがポイントだ。日本の都市は米国モデルで車中心。人生前半の社会保障が必要と主張する。フローからストック。グローバル化の先にあるのは分散型社会だ。元々あった伝統的な共同体から公私を経て、また新たなる共同体=コミュニティの時代が求められる。2021/07/03

shikada

32
人口減少が進み、財政危機と格差拡大、社会的孤立が増加する日本は、どうすれば持続可能なものになるか、を考える一冊。著者は、東京一極集中でも地方への薄い分散でもない、多極集中(多極でありながら、一つ一つの極は集約的であり、徒歩でのコミュニティ空間を形成できる都市)を目指すべきと論じる。そのためには、車中心の街づくりをやめ、徒歩での交流ができる街が必要とのこと。従来の日本のコミュニティは、同調と排除に基づく「農村型」だから、独立した個人がゆるくつながる「都市型」のコミュニティを目指すべき、との記述はおもしろい。2020/03/20

おせきはん

26
人口減少、少子化の進む日本社会の将来像について、コミュニティや社会保障のあり方から死生観まで幅広く論じています。子育て支援以前の問題である経済的な事情から結婚したくても結婚できない若者の存在、コンパクトシティの概念を広域的に広げた多極集中の地域構造の有効性をはじめ、将来を考えるに当たって重要な論点を確認できました。2020/02/29

さきん

25
財政に対する考え方が柔軟ではない。グローバルが進むからローカル化も進むということではなく、ローカルが失われる、多様性が失われていることに対する危機意識が若い世代の一部に芽生えているといったほうが正確な説明だと思う。途上国から先進国に変化するに従って死亡率の低下をGDPとの関連性で説いている図は明快であったが、より高い相関性なら、水インフラの整備率の方を示すのでないだろうか。2020/08/22

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