内容説明
哲学とはなにを解明しようとする学問なのか。近代哲学の行きづまり状況はいかにして打破さるべきか。従来の物的世界像から事的世界観への転回をはかって独自の哲学体系を構想し各方面に波紋を投じている著者が、認識、存在、実践の三つの側面から、私たちを捉えている近代的世界観の根底的批判を展開し、新しい知の枠組への案内を試みる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ころこ
40
有名人が書いた昔の新書の典型で、入門者には読了不可能だろう。言葉が詰まっている著者独特の用語が読み辛さを助長している。議論の方向性と入門書として穏当な結論に辿り着くと割り切れば、細部は読み飛ばし済ませてしまえる。だが、それも哲学的議論を一通り折り込み済みな読者が、著者がどう組み合わせるかを確認するという読み方しか許さないのではないか。投射説による客観性に対する論駁が本書の半分を占めていて、現象学的な直観から共同主観性へと展開するのが前半の認識論だ。後半の価値論こそ共同主観性の出番であり、読み易くはなる。2023/11/22
佐島楓
22
元祖「哲学入門」よりはだいぶわかりやすくなっている。認識論・存在論・実践論の三章から成っており、ゲシュタルトという概念と哲学的価値論(後者は特に初耳)は面白かった。多少はこの系統の読書体力がついてきたようだが、こういった本を読むとまだまだだなと感じる。難しいよ!2012/11/03
たばかるB
20
新哲学とは名ばかりの廣松哲学入門。認識とは?想像とは?実践とは?を問う。軸となるのは間主観/共同主観性。認識論はそれとして、存在論では関係論的な把握、存在するということは関係連環の中の法則性などを反映し存在が現れる。実践については行為と価値に注目する。主意行為は全てか周囲の影響のもと作られる。主体の自律性は必ず外部によってもたらされた価値ときっては切り離せないものだ。2022/09/07
ちょんす
6
主題は「近代の超克」。その際、近代の資本主義及び民主主義社会の根幹たる個人主義に狙いを定める。著者は「人格的実体」を否定する。「『意識スル』とは、決して、能知的主観とやらの内部での出来事では」なく、「総世界的な機能的連関が」「成立せしめる」ものなのだと。「意識現象」の大部分は、「他人たちとの協働に負うもの」(「共同主観的」なもの)で、それゆえ現状のヒュポダイムに拘束される。そこで、自由で理性的な個人を基本単位として自明視する近代のヒュポダイムに異を唱え、新しい見解を表明することが哲学の役割だと訴える。2025/09/21
Salsaru
4
私には難しかった。時折、挟まれる例示から、著者が可愛い人だった気がした。2024/08/28




