内容説明
マルクスはすでに古いという声を聞く。しかし、ほんとうにマルクスは古くなったのであろうか。著者はこう設問した上で、豊かな知見と闊達な筆とをもってマルクスとエンゲルスの生涯を描き、その思想の本質を紹介しながら、この声をきびしく批判する。マルキシズムへの案内書であると同時に、すぐれた人生論の書でもある。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nbhd
14
「マルクスとはあのヒゲダルマから想像しやすいような、いかめしいこわい男では決してない」読んで数ページ、スコンッと飛び込んできたのがこの一文、僕は「ヒゲダルマ」という活字を初めて見た。それはさておき、著者によると「マルクスはもう古い」と声高くなっていた64年刊行のこの本、けっこう泣ける。へぇなるほどと唸ったのは、マルクスが資本論執筆中、エンゲルスは肉親のツテで会社を経営して、マルクスに経済的援助をしていたということ。ある意味、エンゲルスの「にっくきブルジョア」としての稼ぎが資本論の成立に不可欠だったわけだ。2014/08/20
sk
5
マルクス入門にちょうどいい。2020/02/28
mahato
1
著名なマルクス経済学者・大内兵衛によるキャッチーなマルクスとエンゲルスの伝記。マルクスやエンゲルスの生涯を知りたいからもっと詳しいものもあるが、軽く読むならちょうど良い。ただ後半のシュンペーター批判はまったく的を得てない(それは読者に優しくないくらい大内の論理的な地盤がない中で反論している)と感じた。全体的にマルクス礼賛の感が否めない。思想分野も初歩的なものでマルクスこの思想を学ぶためにはお勧めしない。「キャッチーな伝記」が最もなイメージであろう。2022/04/22
えむ
1
マルクスとエンゲルスの生涯を簡潔に辿る。彼らの思想や経済理論に関する解説は限定的だが、大内氏らしい書きっぷりが印象に残った。2017/07/01
denz
1
1963年時点で「マルクスはもう古い」といわれてたという記録に。2010/11/07