内容説明
認知科学や発達心理学を研究する東京大学・針生先生。先生は生後6~18ヶ月くらいの子ども、いわゆる“赤ちゃん研究員”の「驚き反応」に着目し、人がどのようにことばを聞き取り、理解しているかという言語習得のプロセスを明らかにしてきました。本書はその研究の概要を紹介しながら、これまでに判明した驚くべき知見を紹介していきます。何も知らない赤ちゃんが聞いたことのない「音」をどうやって「ことば」として認識する? 生まれた時から英語に触れていたら、今頃はバイリンガル? 赤ちゃんは胎内で聞いたお母さんのことばを覚えている? そのプロセスを知れば、無垢な笑顔の裏側に隠された「努力」に驚かされると同時に、赤ちゃんへ敬意を抱くこと必至。あなたはどのようにして言葉を覚えましたか?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mariya926
116
子どもをバイリンガルにするか?で悩んでいた私としては、ピッタリの本でした。赤ちゃんの時は日本語を教えていましたが、子どもが言葉が通じないのをもどかしそうにしている姿を見て韓国語を先にしようとしました。結局、韓国語はペラペラですが、日本語で話すと嫌がる状態に···。この本を読んでどうするかを決めれた訳ではありませんが、日本語の本を読んであげたりクイズなどをするなど、ストレスを受けない範囲で日本語と接する機会を作っていきます。2022/08/17
1959のコールマン
37
☆5。いい年をした立派な大人でも適当な言葉が見つからなくて往生するときがある。まして全くゼロから「ことばまなび」を始めなければならない赤ちゃんはどんな苦労をしているか?日本語に限らず世界中の言語が、実はいざネイティブスピーカーレベルで習得しようとするとなると、とんでもなく難しい事をこの本はそれを解き明かす。そして、子供の時期的にあまりに早すぎる外国語教育に警鐘を鳴らす・・・まではいかないが、一応注意すべき、としている。まあ自分としても英語の早期教育を受けた(たしか3才くらいだと思う)ことがあるのだが→2019/10/25
羽
21
1歳頃から喋ることができるようになる赤ちゃん。実は喋るようになる前から、人の声を聞き、発声法や音の聞き方、音のかたまりなどを学習しているといいます。1歳後半からは月に30〜50語ずつ話すことができる単語が増え、これは「語彙爆発」と呼ばれます。知らない外国語での会話を聞かされ、音のつながり方を手がかりに必要な音の聞き分けをするのは、大人でも大変なこと。生まれてすぐ日本語にさらされ、必死に覚えようとする赤ちゃんは、なんて努力家なんでしょう。後半のバイリンガル幼児教育についての話も興味深かったです。2022/08/03
hk
19
「子供は言葉をすぐ覚える。よって英語を子供のうちに身に着けるべし」という意見がここのところ大勢となった感がある。しかし本書では「子供は言葉をすぐ覚える」というお題目はあくまで大人の思い込みであり、エビデンスに欠けると指摘している。なるほど、確かに英語を体得するのは大人ではなく子供であるため、習得度合いを相対化する「基幹言語」をまだ持っていない。だから「子供は言語習得がすこぶる早い」という大人の幻想前提に基づく議論は危険だという論法は一定の説得力を帯びている。 本書は英語教育の弊害の大きさが趣旨の一冊だ。2019/09/15
Mc6ρ助
14
英語を早くに学びはじめることが効果がないだけだなく母語の習得を阻害するなんて。文法を理解できる中学生からが一番よくて、スピーキングなんかは大学に入った後くらいのほうがよいそうな。大事なのは母国語でちゃんと考えられること。著者の爪の垢を煎じて飲むべき、飲ませたい人が(自分自身も含めて)世の中にいっぱいいるかも知れない。2019/11/13
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