内容説明
アフリカはサハラ砂漠南縁を境に、北のアラブ主義と南のネグロ主義に分けられる。現在この両者にまたがる唯一の国がナイジェリアである。サハラ交易による繁栄、イスラームの流入、奴隷貿易、イギリスの統治などを経て、ナイジェリアは人口・経済ともにアフリカ最大の国となった。20世紀には150万人以上の犠牲者を出したビアフラ戦争を経験し、イスラーム過激派組織ボコ・ハラムを抱える「アフリカの巨人」の歴史を辿る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
skunk_c
52
アフリカ最大の人口を抱え、1960年「アフリカの年」に独立したものの、ビアフラ内戦が起こり、サハラ以南のアフリカ一の産油国でありながら、さほどその恩恵を受けず、最近はボコ・ハラムの暗躍で知られる...といった通り一遍の知識の隙間を埋めてくれる好著だ。イギリスの南北植民地の支配方式の違いが現在にまで影響していること、独立時にはすでに行政や議会の現地化がかなり進んでいたなど、よく知らなかった事項も説明されており、この国を理解する入門書にふさわしい気がする、個人的にはフェラ・クティに関するコラムが嬉しかった。2019/07/31
ジュール リブレ
48
アフリカきっての大国。怖〜い国。テロと汚職と貧困とカオス。そんな印象の国が、どうして成立してきたのか、なかなかまとめらた本が無かったけれど、西アフリカ全体を俯瞰しながら、現在に至る歴史を眺めることのできる一冊でした。ラゴス空港を一足降りた時から感じる不気味さ。その背景にある歴史を少し感じることができました。優しい目つきのナイジェリア、の時代が訪れますように。2019/09/06
巨峰
47
アフリカの中では屈指の大国ナイジェリアなのだがその歩みは内戦や権力闘争の諍いごとまみれ。民族の違いと宗教の違いがのしかかる。この国に生まれた人はかなり不幸なのではと思ってしまいました。2025/07/29
きいち
36
これは貴重な一冊。◇ナイジェリアは大国だ。人口もそうだけれど、政治的にも文化的にも分厚い歴史を持っていて、それをイギリスがひっかきまわして本当に複雑に成り立っている国。ビアフラ内戦に頻発するクーデター、深刻な利害対立を、オバサンジョ、ジョナサン、ブハリと酸いも甘いもかみ分けたよなプレーヤーたちが決してキレイゴトではなく運営していこうとしていく様、アフリカのというよりも世界の縮図に見える。商人の伝統が強いおかげで、決定的な破局を避ける力があるのかもしれない。2019/08/18
サアベドラ
34
西アフリカの大国ナイジェリアの歴史を扱った新書。2019年刊。著者は長らくナイジェリアを研究してきた人のようだが、研究論文を見る限り専門は社会地理学や環境地理学で、歴史家ではないようだ。本書は特に独立後の政治史に重きをおいた記述になっており、前史や文化史・社会史は少なめ(コラムで補完されてはいるが)。それでも本書を通して読めば、この国が抱える問題が大英帝国の植民地支配に由来することがよく分かるし、ビアフラ戦争やボコ・ハラムがたんなる民族紛争や原理主義に由来するものではないことが理解できるようになっている。2019/08/05
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