内容説明
井月・子規から今日活躍する俳人まで、近現代の珠玉の300句を、俳句革新の旗手・小澤實が解説。今読んでも新鮮に味わうことのできる秘められた名句を厳選し、季節ごとに配列。一句一句を丹念に読み解きながら、詠まれた背景や俳人同士の関わりまでが鮮やかに描き出される。今、俳句を楽しむために必要な鑑賞眼が身につく一冊。明治から大正、昭和を経て、平成に至るまでの俳句を取り上げた。近現代の俳句の流れを形作っている代表的作家をピックアップしたつもりだ。子規・虚子門が連なる主峰はもちろんのこと、虚子への反発から生まれた、新傾向俳句、自由律俳句、新興俳句などの作家も掬い上げた。小説家などの余技の俳句、いわゆる文人俳句も取りあげた。さらに注目している久保田万太郎の師弟の流れは積極的に取り上げている。季節順に句を並べた一冊を通して、近現代俳句の多様な響きが、聞こえてきたとしたら、とてもうれしい。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
双海(ふたみ)
11
井月・子規から今日活躍する俳人まで、近現代の珠玉の300句を、俳句革新の旗手・小澤實が解説。俳句・季語・作家という3種の充実した索引つき。久保田万太郎の師弟の流れが積極的に取り上げられている点も面白い。2024/03/09
豆ぐみ
6
明治から平成の名句300句を、1ページに1句ずつ解説。「俳句αあるふぁ」に連載されていたもの。読みすすめやすくて勉強になります。季節順に並んでいて秋風の句が9句だった。2019/07/08
せっか
4
「春寒のケシゴム一行の字をそげり 鷲巣繁男」 「月を待つシャンパンの栓ぽんと抜き 星野椿」2019/08/12
skr-shower
3
「阿修羅迦楼羅緊那羅摩呉羅伽大火かな」「雪・躰・雪・躰・雪・跪く」気に入りました。2019/03/11
はるたろうQQ
2
実際の優れた句を鑑賞することで俳句への入門を目論む。季節順に並べたので四季の日本人の生活感情が明かになる。素人の思い込みかもしれないが、名句というと普通出てこない次の句があるユニークな入門書。 ○汗の人ギューッと眼つぶりけり ○生身魂(いきみたま)ひよこひよこ歩き給ひけり ○一九三六(ひどくさむい)と覚えしこの日二・二六 ○月涼し脳を出で入る健忘神(わすれがみ) 次の句には感激した。 ○春雨といふ音のしてきたるかな ○我を撃つ敵と劫暑を倶にせる ○足もとはもうまつくらや秋の暮 ○母死ねば今着給へる冬着欲し2020/03/21
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