内容説明
銀行員・隆盛を頼って、昔のペンフレンドが日本にやって来るという。現われたのはナポレオンの末裔と自称する、馬面の青年だった。臆病で無類のお人好しのガストンは、行く先々で珍事件を巻き起こすが……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
piro
36
『深い河』、『悲しみの歌』に登場したガストンの話という事で興味を持った作品。刊行は『海と毒薬』の翌年、1959年なので比較的初期の作品。軽めのタッチで描かれていますが、遠藤先生にとっての一貫したキリスト観が色濃く表現されている作品だと感じました。ガストンこそイエスの象徴に思え、『深い河』の大津の姿にも重なります。遠藤先生がフランス留学で受けた心の傷とも言える思いが強く現れているのではないかとも思います。上記に挙げた作品と共に読んでいただきたい作品です。2023/12/03
クボタ
19
遠藤周作さんの著書を続けて読んだ。この作品も50年以上前に読んだはずだが読み始めても思い出すことは無かった。フランスから来たちょっと鈍感なガストンが隆盛、巴子兄妹の所にやってくる。色々と問題が起きるがガストンのお人好し度は人一倍、何をしに日本に来たのか。イエス・キリストを念頭にした物語だと言える。2026/03/20
さっちも
15
終末医療期の父親の爪を切ってあげてる時に、愛おしさが込み上げてきた。何十年と憎しみしかなかったから不思議だった。ずっと彼自身の借金漬けで家計と埒外にあった父。最近になって分かったのだけれど、家を売った金、退職金の1000万以上の金が何に消えたのか分からない。母と分割すべき国民年金と厚生年金を1人で使い続けた父。家賃は母方の祖父の家を1人で住んでいて家賃はいらなかった。消費者金融に借りた金は国の法律改正でチャラになっているはずだが、入院する際になってやっぱり借金があってという父。ただ表面は完璧で人に愛され2024/09/12
hart
4
'60年代と思われる昭和の日本。銀行員 隆盛君 兄妹の前に ナポレオンの末裔と称するフランス人が姿を現わす。名前はガストン・ボナパルト。見事に馬面の青年は、臆病で無類のお人好し。最初は兄妹を困らせるが、次第にこの青年が素敵な心を持っていることがわかり、一見ただの'おバカさん'だが、はかりしれない能力も垣間見えてくる。そして行く先々で珍事を巻き起こしていく一方で、彼は出会った人々の心を不思議な温かさで満たしていく。『遠藤周作、得意の明朗軽快なタッチながら、内に「キリスト受難」の現代的再現を⇒ 2023/06/04
武ザワ
1
「おバカさんなのだ。人生に自分のともした小さな光を、いつまでもたやすまいとするおバカさんなのだ。」ガストンの無垢で、優しいところをみると、心がスッキリする反面、私には到底敵わない人だなと感じた。今日では、憎しみや悲しみが多い時代になっている。相手よりも良くなろうとする考え方が増えている。こんな時代にこそ彼の精神が必要となるのではないか。1962年に書かれた小説だが、全く古くは感じない。「新しい古典」とも言うべき作品である。2025/01/25
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