内容説明
14歳の少年レオのさわやかな成長物語です。中学2年の夏休み、家族3人でドイツを旅する……はずでした。それが、先に現地入りしていたお父さんが、旅先で盲腸炎になってしまったため、お母さんは出発を早め、レオはあとから一人、ベルリンへと向かうことになったのです。初めての異国。それも4日間は、両親と離れての一人ぼっち。幸い、従妹のマリちゃんがベルリンに留学中なので、まあなんとかなるでしょと、レオの珍道中がはじまります。実は、レオには、ひそかな目的がありました。それは……。大人への階段をのぼる少年の姿が、あざやかに描かれた感動的な青春小説、
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おしゃべりメガネ
146
書店で見かけ、タイトルに惹かれて読み始めた「青少年読書感想文全国コンクール-中学校の部」の課題図書です。いい意味でサラッとしており、久しぶりに時代を懐かしむ感じで読むコトができました。中学云々というよりは、ギター少年を中心にしたお話なので、音楽に興味をお持ちのお子さんが読むにはいいお話かなと。話の流れ(展開)が良く言えばスムーズなのですが、あまりにも話がポンポンと進んでいくので、登場する青年たちの持つ様々な悩みなどのシリアスさが伝わりにくかったかなと。でも、きっとテーマはあくまで「友情」なんでしょうね。2014/07/23
MI
94
「レオ、おまえは、おまえのロックをやれ」亡き友ケチルの言葉を胸に、ベルリンにやってきた少年レオ。 この旅はケチル爺さんの思い出を辿り、初恋の人にLPレコードを日本からベルリンへ旅に出る。ケチル爺さんからギターや音楽を学んだ。「世界のどこかで 小さな幸せのかけらがきっとみつかるはずさ ぼくはそれをいつも夢をみているんだ」世界のどこかで歌詞の一節。 ベルリンで英語を教えているリサはサマーフェスティバルにバンド出演。レオも飛び入りで参加することに。一夜限りのセッション。異国で言葉は通じないけれど、音楽で繋がる。2023/11/19
chiru
76
ロックを何より愛する14歳の少年が主人公。 親友である老人との約束を果たすためドイツへの一人旅を決行。 五感をフルに刺激される塁国の地で、新しい仲間を作り、可能性を広げていく様子は微笑ましい。 物語は、離婚問題や異母兄弟、人種差別、遠い昔の戦争などを含んでるけど、さらっと読めてしまう。 戦時中のドイツに滞在していた老人のエピソードは、もっと深く読みたかったなって思った。 ★32018/05/11
ミーコ
66
たまたま手にした本が、中学校の課題図書でした。表紙に惹かれて読んだのですが 面白かったです。高齢者ケチル(猛)の遺品を持ってベルリンへ・・・ そこで出会った人達との交流を描いた成長?ストーリー。思ってた通り 面白かったです。ハンナさんへの手紙の『最愛のハンナへ』の文字を見た時 生涯独身で通した猛さんの気持ちが伝わりグッと来るモノがありました。サラリと読めたけど 良作でした。2016/06/07
Rosemary*
58
少年から大人へと階段を上り始めた14歳の少年、レオがひょんなことから、ベルリンまでひとり旅をすることに…年の離れた亡き友ケチルとの約束も胸に秘めて。音楽を通しての友情、淡い恋心、異国の文化の違い、時を超えた確かな想い、それらが良いハーモニーとなり爽やかな成長譚を奏でる。満天の星空の下、響き渡れ僕たちのロック♫2016/06/29