内容説明
ネパールで永く信仰を集める、生きた女神クマリ。代替わりに集められた幼女のうちから一人だけが選ばれる。辺鄙な町に暮らす青年シッダルタは、きつい性格の新人クマリの警護に抜擢された。若者のあいだで人体改造が流行する近未来のカトマンズを舞台に、「ゲンロンSF新人賞」と「創元SF短編賞」を連続受賞した新鋭がパンキッシュに紡ぎ出す、神話的バイオSF。イラスト=鈴木康士*本電子書籍は、『年刊日本SF傑作選 おうむの夢と操り人形』(創元SF文庫版 2019年8月30日初版発行)に掲載の「サンギータ」のみを電子書籍化したものです。『年刊日本SF傑作選 おうむの夢と操り人形』全ての電子書籍版ではございませんのでご注意ください。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かわうそ
33
いよいよ名残惜しい最終巻。読みたい本が増えるにつれ新たな作家をチェックする時間が減ってくる中で、最新日本SFのショーケースたる本シリーズは本当に楽しみだしありがたかった。編者の大森望さん日下三蔵さんには感謝の言葉しかありません。今回のお気に入りは、藤井太洋の表題作と飛浩隆「「方霊船」始末」、日高トモキチ「レオノーラの卵」、長谷敏司「1カップの世界」あたり。十二年間本当にありがとうございました!2019/10/10
ひさか
25
2019年8月創元SF文庫刊。年刊日本SF傑作選シリーズ12作目にして最終巻。19編のSFアンソロジー。えーっ、続けて欲しかった〜。って手を変えて続ける模様なので良しとします。2020/07/05
かとめくん
21
毎年のお楽しみ。年々分厚くなっていくこの選集だが、なんと今回で終わってしまうとのことで、残念です。有終の美を飾るにふさわしく今回も充実してました。気になったのは、「わたしとワタシ」「検疫官」「東京の鈴木」「大熊座」あたりでした。毎回のことですが、短編賞受賞作も面白い。今後の作品も楽しみです。2020/02/17
りょうけん
18
<F> 訳あって,半分ほど読んだ後三ヶ月位のブランクが開いた.コロナバイラス禍もその理由の半分くらいにはなっている.コロナバイラス禍と分けあう程の残り半分の理由は面倒なので書きたくない. とまれ, 本の表題になっている作品『おうむの夢と操り人形』がとても秀逸で面白かった。これなら次回作集にも期待できるし,作者の既刊本も読んでみようかしらとまで思った。 2020/06/27
おーすが
18
最後の創元年刊日本SF傑作選。大御所から新人作家まで混ぜこぜに読めるという贅沢。柴田勝家の「検疫官」、藤井太洋の表題作、高野史緒の「グラーフ・ツェッペリン〜」などがキッチリと面白かった。が、1番ときめいたのは創元SF短編賞受賞作、アマサワトキオの「サンギータ」。濃厚な背景描写からキャラがググッと立ち上がって来る。楽しい、かっこいい。一気読み。2020/03/31