内容説明
数百億円の遺産と会社の実権を残したまま、女主人は密室で殺された! 容疑者は相続人全員。遺産と実権を狙い愛憎・陰謀が渦巻くなか、武蔵野の風情を残す三千坪の豪邸「土筆庵」で、次々とおこる4つの密室殺人。美貌の女刑事・鮎川阿加子も犯人の誘いに乗せられて……。4つの密室が複雑に絡み合いながら、二転三転、事件は意外な戦慄の結末へ向かう。4つの殺人、4つの密室、空前の謎!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
水生クレイモア
11
数百億円の遺産と会社の実権を残したまま女主人は密室で殺された。容疑者は相続人全員。4つの密室殺人を主軸とする警察小説と新本格の双方の色を持った作品。意外性と論理性のバランスが取れた佳作ですが、タイトルとの関連が唐突過ぎるように感じた所が不満な点でした。2014/07/13
ふじさん
10
著者は初読み。『十角館』とほぼ同時期の新本格勃興前夜に刊行された、資産家一族を襲う四つの連続密室殺人を描いた長篇ミステリ。実際に読むまで寡聞にして知らなかった作品ながら、これが思わぬ拾い物だった。通俗的な濡れ場に始まる序盤は如何にも新本格以前の講談社ノベルスという印象だし、男女観等流石に時代も感じるが、次々事件が起こる疾走感の果てに待ち受ける、飛び切り意外な展開に思わず茫然。均整が取れた構図、表題の回収も洒落ている。味の濃さでは現代の作品にも引けを取らず、今読んでも充分ミステリとしての興趣が愉しめる秀作。2022/02/10
kanamori
0
☆☆★2011/10/20