内容説明
私たちはどんな時代を生きているのか。天皇退位・改元を機に、さらなる増補改訂をほどこした決定版。執筆:小熊英二、井手英策、貴戸理恵、菅原琢、中澤秀雄、仁平典宏、濱野智史、ハン・トンヒョン。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かんがく
15
数か月前からダラダラ読んでやっと読了。政治、経済、社会保障、教育などジャンルごとに章立てされているが、どの章を読んでも改元の時にtwitterで見かけた「平成とは昭和の長い二次会」という言葉を思い出す。冷戦体制と経済成長という50~80年代のわずかな期間が「日本社会」として固定されて、そこから脱却できないまま国際情勢や科学技術は変わっていった時代なのかなと思う。2022/12/30
masabi
13
【概要】平成とはどんな時代だったのかを昭和との比較を通して描く論考集。【感想】政治・経済・社会保障・教育分野では昭和期に時代に即した制度が完成したが、平成に入り機能不全が明らかになりながらも場当たり的な対応に終始し抜本的な改革を先延ばしにし続けた。国内にも中核と周辺があり、中核部分に異変が生じて初めて深刻な社会問題と捉えられるという指摘はなるほどと思った。情報化の論考で日本の情報化の恩恵は私的領域、消費と娯楽に留まりデフレを加速させただけで政治・経済の公的領域に波及するものではなかったと厳しい。2022/10/20
元気伊勢子
7
昭和と平成でこんなにもくっきり違いがあったのだと初めて知った。東京一極集中ももはや限界かもな・・・なんて。勉強を始めたばかりの私はそんなことを思った。2021/05/16
小鳥遊 和
3
2014年刊の増補新版のほうを持っている。2019年刊(平成が完結した翌年だ)の「完全版」は借りて読んだ。「完全版」は、「経済」で井手英策が「土建国家」を「勤労国家」と捉え直した以外は、各章ともに第二次安倍政権下の諸事実を補ったのみで論旨に転換はない。両版のどちらを持つにせよ、まさに「一家に1冊」(増補新版へのおさむ氏のレビューにある語)の必携書。小熊の、情報を調べ、整理し、鋭利な分析を加えてゆく文章は、若い世代には求め難い高みにあると感じる。「これぞ知識人」と唸らされる。菅原の政治論も読みごたえがある。2024/12/04
tharaud
3
震災、テロ、恐慌、また震災、そして今度は疫病と、時代の外枠もろくにわからないままに生きてきたが、振り返ってみるとなるほど歴史とはこのように形作られるんだなと感慨深い。歴史学者・與那覇潤の『平成史』が現在の言論空間の形成過程を浮き上がらせるのに対して、社会学者たちによるこの『平成史』では現在進行形の主要なトピックの形成過程がよく理解できる。2021/09/25
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