ちくま新書<br> 日本を救う未来の農業 ──イスラエルに学ぶICT農法

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ちくま新書
日本を救う未来の農業 ──イスラエルに学ぶICT農法

  • 著者名:竹下正哲【著】
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • 筑摩書房(2019/09発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480072504

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内容説明

日本の農業には、今大きな危機が迫っている。一般に農業問題というと、低い自給率、農家の減少、農家の高齢化、担い手不足、耕作放棄地の増大、農地の減少などが思い浮かぶが、実はこれらは大きな問題ではない。最大の問題は「国際競争力のなさ」だ。日本にとっていちばん参考になるのは今や農業大国となったイスラエル。センサーやIoT、衛星画像、クラウドシステムを使った最先端技術を駆使したイスラエルの農法を学べば、日本の農業問題はほとんど解決できる。

目次

第1章 日本に迫りつつある危機
第2章 すべてを解決する新しい農業の形
第3章 最先端ICT農業とは──イスラエル式農業
第4章 イスラエル式農業の日本への応用実験
第5章 近未来の農業の形

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

skunk_c

59
本書は後半のドリップ・ファーティゲイションの紹介と実践例の部分、農業へのIT導入の可能性についての指摘には意義を感じるが、それを強く薦めたいがための前半の日本農業の現状分析の部分がひどすぎる。特に統計の扱いが雑(p.67図に「農業従事者数」と明記されているのに本文で「農家数」と書く。本書の別の部分に経営体のことがあったり選挙の話が出てくるのにこの混同はあり得ない)な上に恣意的。最もひどいのがオランダのブドウ。生産が350tで輸出が28万tという数値が「驚異的な農業」と書くが、そりゃ中継貿易の結果でしょ。2023/07/13

yyrn

19
長年、高い輸入関税と多額の補助金で農家を守ってきたツケが、日本の農業を全く国際競争力のないものにしてしまったと糾弾し、日本の農産物は安全だと思われながらいつしか中国に次いで多量の農薬を使う有様に、その結果、姿は美しいが値段の高い農産物しか作れず、かつ生産技術も日本の温暖で湿潤な自然環境に胡坐をかいて怠り、美味しいが量の取れない日本の農業は、TPPやEPAが始まってしまった今、未来はないぞ!林業の二の舞だ!と危機感をがんがん煽ってくる本だった。ああ疲れた。農学博士の著者はいまならまだ間に合うと鼓舞するのだが2019/12/13

makio37

14
昔ながらの農法で、地産地消が一番よく、多少高くても国産を選ぶだろう…。そんなナイーブな認識が根底から覆される内容だった。ヨーロッパから「安くて、おいしくて、おしゃれで、農薬の少ない野菜と果物」が来たら、確かに勝ち目はない。食料自給率(カロリーベースという嘘)も、耕作放棄地(農水省・政治家・農家の利害の一致)も問題でなく、根本問題は1970年代から全く改善していない「生産効率」だったのか。ドリップ灌漑をベースとした、ビッグデータと自己学習による新しい農業。"正しく"なくても、進化を拒めば、滅びるしかない。2019/10/22

10
19年。日本の農業は滅びるか世界トップクラスになるかの分岐点にある。本書で繰り返し述べられているが、日本農業の問題は単位当たりの収量が低いこと、それにより農産物の価格が高くなり国際競争力を失っていること。日本の農産物は安くもないし農薬漬けで安全でもない。これまで鎖国と補助金で守られてきたが、TPPやEPAといった外圧で国からの手厚い保護はなくなっていき、海外からは安くて安全な農産物が続々と入ってくる。どうすればいいのかをイスラエル式農業に見る。単なる提案だけではなく実践しているのが本書のよいところ(続く2019/11/16

うちひと

4
農業は更に効率化できるのでは、という問題導入は素直に読めた。しかし、解決に至る手段は説得力に欠ける。例えば、株式会社化は答えではない、の根拠が海外で家族経営が主だから、では単なる帰納論である。また、耕地を広くした方が単位あたり生産性も上がるだろうから、イスラエルの耕地が広いことを後半まで論ぜずにヘクタール生産性に焦点を当てるのは、ドリップ灌漑方式への依怙贔屓的な構成と言わざるを得ない。AIの活用部は特に面白みがなく、一般的なセンサーIoT活用。また、参考文献の少なさも新説を唱えるには気になる。やや残念な本2020/10/11

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