北海道大学もうひとつのキャンパスマップ - 隠された風景を見る、消された声を聞く

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北海道大学もうひとつのキャンパスマップ - 隠された風景を見る、消された声を聞く

  • 著者名:北大ACMプロジェクト
  • 価格 ¥1,760(本体¥1,600)
  • 寿郎社(2019/09発売)
  • ポイント 16pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784909281159

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内容説明

札幌の・観光名所・北大キャンパスには、かつてアイヌコタンがあった――。大学が積極的に語ろうとしない〈負の歴史〉にも光を当てて、有志教員と学生、外部の研究者らが書いた《正史》には記録されない北大の〈歴史〉ガイド。

目次

まえがき
I かつての風景を想像してみる
 あるアイヌ遺骨のふるさと
 コトニ・コタンと琴似又市氏
 恵迪寮の地下に眠る農耕集落
 植物園の竪穴住居跡
II 北大の植民地主義を考える
 一〇一五人が眠るアイヌ納骨堂
 佐藤昌介の植民学講座
 林善茂によるアイヌ差別講義事件
 「国際社会」における新渡戸稲造
 新渡戸稲造と植民地台湾の農民
 古河講堂と足尾銅山鉱毒事件
 古河講堂「旧標本庫」人骨放置事件
III 北大と戦争の関わりを知る
 大本営門標と行在所門標
 スパイに仕立て上げられた北大生と英語教師
 北大工学部の軍事研究
 軍事研究に関する議論を巻き起こした中谷宇吉郎
IV 大学と学問のあり方を問う
 森林科初代教授・新島善直の足跡
 学生の権利を問う演研青テント撤去事件
 北大初の女子トイレの設置を求めて
 大学を開く――アイヌ学/和人学をめざして
  あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あーびん

26
観光向けではないディープな北海道大学を知る一冊。アイヌ納骨堂の存在は知っていたが、公表されていない為どこだろうと思っていたら何度も傍を通ったことのあるあの建物だった... また、1936年に天皇が大日本帝国陸軍の演習の為にご来道された際の大本営は北大農学部だったとか。北大初の女子トイレの設置を求める女子学生の交渉など、歴史とともに変化してきた北大のあり方が伺える。2019/11/14

湖都

14
北大や他大学の教職員ら専門家が綴る、裏側の北大史。アイヌ民族に対する問題、帝国主義や植民地主義との関わり等、比較的重いテーマが取り上げられている。私は卒業生でもあり、本書の序文を書いている小田先生の授業や関連授業もとっていたので、おぼろげに知っていることも多かった。でも女性用トイレ問題は色々衝撃だった。女性用トイレのある時代に通えて良かった!てか、いまだに女性比率30%だったんだ…。あと、懐かしい風景写真が沢山掲載されているのも嬉しい。毎日見てた木を植えたのが新渡戸稲造の奥さんだったなんて知らなかったよ。2020/07/30

そーすけ

4
40*北大キャンパス内に、アイヌコタンがあったんだな…。開拓の美名のもと、先住民は抑圧された。新渡戸稲造も、植民地主義からは自由になれなかった。清華亭で、強制移住させられていた樺太アイヌが踊りを披露させられるという事件もあったのだな。2020/02/07

onepei

3
ならではの話がたくさん。2019/12/08

Takao

2
2019年6月20日発行(初版)。執筆中の著者のひとりから問い合わせがあったがお役に立てなかった、ということがあり、出版前から興味を持っていた。1976年4月から1980年3月まで通っていた大学なので、随所に馴染みの場所や当時起こった事件(文連会館の火災など)が登場する。しかし、自分たちが学び生活するまさに「足元」にアイヌの村があったことを意識したことはなかった。フロンティア精神が語られる時、先住民の存在を忘れていなかったかと自問する。北大キャンパスを再訪する時には、本書を旅のお供にしたい。2019/08/30

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