文春文庫<br> どうかこの声が、あなたに届きますように

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文春文庫
どうかこの声が、あなたに届きますように

  • 著者名:浅葉なつ【著】
  • 価格 ¥743(本体¥676)
  • 文藝春秋(2019/09発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784167913496

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内容説明

地下アイドル時代、心身に深い傷を負い、鎌倉の祖母のもとでひっそりと生活を送っていた20歳の小松奈々子。そこに突然現れたラジオ局のディレクター黒木から、番組アシスタントにスカウトされる。
初日の生放送は、後に「伝説の十秒回」と呼ばれる神回となり、かつてラジオ界で絶大な人気を誇ったパーソナリティの片鱗を感じさせるものだった……!?

大食いのアナウンサー、演じるキャラに疲れている女性芸人、売れっ子のオネェタレント…。様々な仲間に囲まれ、時に黒木と罵り合いながら、奈々子はラジオの世界に向き合っていく。それは自身の傷や、過去とも対峙しなければならなかったが、奈々子が生き直そうと決めた「小松夏海」の存在は、次第に黒木たちをも巻き込んで、確かなムーブメントとなっていく。そしてその言葉は、子どものできない夫婦や、大人になることの意味を考える高校生など、切実な日々を生きるリスナーたちの、ほんのわずかな未来を動かし始めていた。

「いいか小松、ラジオにはテレビやネット動画と違って映像がない。
映像という明確なものがない分、リスナーはそれを補って想像する。
そうして頭の中で想像されたものは、誰にも否定されないし奪えない。

だから想像させろ。

リスナーに、姿の見えないお前を想像させるんだ」(本文より引用)

ラジオの魅力と、傷を抱えた人々が織り成す、あたたかな小気味よさあふれる物語。

150万部を突破した『神様の御用人』著者、浅葉なつの書き下ろし長編!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

machi☺︎︎゛

132
神様の御用人が好きでその人だ!って思って図書館で借りて初めはなかなかしっくり来なくて返そうかなって思ったけど、途中で返さなくて良かった!!読んで良かった!!事件の被害者で顔に大きな傷を負ってからマスクを手放せなくなった菜々子。だがある日、ラジオのアシスタントにスカウトされる。菜々子の人徳なのかスタッフ、リスナーなどいい人ばかりが集まってきて苦難を乗り越えていく。毎朝お弁当作りながらラジオは聞いているけどまた違った聞き方ができそう(•◡•〟)2019/11/21

五右衛門

122
読了。神様シリーズの作家さんなので読んでみました。又全く違う視線というか作風で自分自身が小、中、高とどっぷりラジオに浸っており作中でもあった想像力がすべてというのは本当に深く頷きながら読みました。(パーソナリティーの写真とかが掲載された雑誌を見てがっくり来たことも)深夜番組を上げればきりがないくらいです。けれど主人公(発信側)にも色々な事情があり、でもリスナーの為にと…今になって余計に身に沁みました。ガッツリではなく、少しだけ明日も頑張ってみようかな、と思わせられました。又来週!2020/09/14

bookkeeper

121
★★★★★ 初読。アイドルとして活動し始めた矢先に顔と心に傷を負ってしまった主人公。ラジオ番組のアシスタントとして活動を再開するが、彼女の声は誰かに届くのか…?  ラジオといえば、残業続きだった昔にタクシーの車内でよく流れていた。パーソナリティさんの笑い声やぶっちゃけ話が、TVよりも素に近い様な気がしました。その程度しかラジオに縁の無い私にも、とても心に沁みるお話し。リスナーさんやスタッフとの絆に、何度か泣きそうになりました。ラジオならではの軽妙な受け答えもツボで、ニマニマさせられます。うーん、いいな。2020/04/28

ひさか

116
別冊文藝春秋2019年9月号のTALK#01伊澤春奈,31歳、TALK#02小松奈々子,20歳、と残りを書下ろして、2019年9月文春文庫から刊行。ラジオパーソナリティの奈々子の8年間を綴ったお仕事、人情ストーリー。浅葉さんなので、多少の不思議があるかなと予想したのですが、はずれてましてシリアス路線でした。興味深い狙いどころで、ワクワク感は、あるものの、わざとらしいストーリー展開に若干ひいてしまう箇所もありましたが、それなりに楽しめました。2020/11/23

sayuri

108
主人公は地下アイドル時代に心身共に傷を負い祖母の元で目立たぬ様ひっそりと生活をしていた20歳の小松奈々子。ある日、突然現れたラジオ局のディレクター黒木に番組アシスタントとしてスカウトされる。小松夏海の名前でリスナーの悩みに真剣に向き合い、自らも過去のトラウマと戦い続ける。顔が見えず、声と言葉だけで相手に伝えなければいけないラジオという媒体の深さを感じ、ラジオパーソナリティの役割の重さを感じる。毒親問題を絡めながらラストでは主人公の凛とした決断に胸がすく。本作でラジオアプリの存在を知り読後にDL。中々良い!2019/11/14

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