KS物理専門書<br> スピンと軌道の電子論

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KS物理専門書
スピンと軌道の電子論

  • 著者名:楠瀬博明【著】
  • 価格 ¥4,180(本体¥3,800)
  • 講談社(2019/08発売)
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  • ISBN:9784065169971

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内容説明

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本書のメインテーマは固体中の電子が織りなす電磁気的な物性であるので、第1章では、物質中の電磁気学の簡単な復習と第2量子化、線形応答などの理論的手法の導入を行う。
第2章では、孤立原子に局在した電子自由度の取り扱いや電子相関の起源となる電子間のCoulomb 相互作用について議論する。
第3章では、結晶の周期ポテンシャル中を運動するいわゆるBloch 電子に関する話題と電子状態を扱う際に便利な道具である(相互作用のない) Green関数や感受率の導入を行う。また、軌道運動に対する磁場効果についても議論する。
第4章では、さまざまな秩序を生み出す相互作用の起源について整理し、局在系と遍歴系の平均場近似による取り扱いと秩序下での励起について取り扱う。平均場近似は、多体効果を本格的に議論する際の出発点となるので、あまり軽視してはいけない。
第5章では、局在と遍歴の相互関係、両者のはざまで生じる物性について概観する。この章では多体問題に踏み込まざるを得ないが、あまり深入りはせず考え方の筋道を述べるようにした。
第6章では、電子のもつ自由度を統一的かつ包括的に取り扱う際に有用な概念である微視的多極子について議論する。特に、近年の重要な話題である反転対称性のない系におけるスピン軌道相互作用に関連する物性を取り扱う際に威力を発揮する拡張多極子の考え方についても紹介する。
第7章では、空間反転対称性の破れに関する話題を取り扱う。本編では触れられなかった補足事項については、付録でまとめて取り扱った。

基礎編
第1章 基礎事項
第2章 局在電子系
第3章 遍歴電子系
第4章 磁気秩序

応用編
第5章 遍歴と局在
第6章 微視的多極子
第7章 空間反転対称性の破れ

付録A 補足事項




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目次

基礎編

第1章 基礎事項
1.1 電磁気学の基本方程式と単位系
1.2 第2量子化の方法
1.3 線形応答理論

第2章 局在電子系

2.1 1原子内の多電子問題
2.2 希ガス原子の反磁性
2.3 磁性イオンの電子状態
2.4 Coulomb相互作用とHundの規則
2.5 自由な双極子モーメントの外場に対する応答
2.6 結晶場(配位子場)と等価演算子法
2.7 結晶場中の電子状態
2.8 結晶場準位内のCoulomb相互作用
2.9 結晶場中の熱力学量

第3章 遍歴電子系
3.1 結晶の周期性とBloch状態
3.2 タイトバインディング近似
3.3 1粒子スペクトルとGreen関数
3.4 動的複素感受率
3.5 電気伝導度
3.6 Landau反磁性

第4章 磁気秩序
4.1 局在スピン間の相互作用
4.2 局在スピン系の秩序
4.3 局在スピン系の集団励起
4.4 遍歴電子系の秩序
4.5 遍歴電子系の磁気秩序下の励起

応用編

第5章 遍歴と局在
5.1 モット絶縁体
5.2 近藤効果
5.3 量子臨界点

第6章 微視的多極子
6.1 電子自由度の多極子表現
6.2 多極子の秩序
6.3 多極子の観測手段
6.4 拡張多極子

第7章 空間反転対称性の破れ
7.1 反対称相互作用
7.2 反対称相互作用の微視的起源
7.3 非相反方向性スピン波
7.4 ボンド秩序

付録A 補足事項
A.1 Fourier変換
A.2 d次元単純格子
A.3 ゲージ変換とPeierls位相および電流密度演算子
A.4 2基底の相互作用のない系のGreen関数
A.5 結晶中における電子の運動
A.6 Bogoliubov変換
A.7 コヒーレント状態
A.8 多極子演算子の導出
A.9 群論における表現論

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

さーど

0
実用的な本で大変重宝している。 内容は濃密で本当に要点だけを追っているので独学には向かないが、一通り学んだ上で読むとためになる記述も多い。 反対称スピン軌道相互作用や拡張多極子は物性理論でも比較的新しいトピックで、今のところ類書も出ていないようなのでユニークな参考書でもある。2019/12/19

S

0
消化しきれていないけど、勉強になった。2019/12/01

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