講談社文芸文庫<br> 墓碑銘

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講談社文芸文庫
墓碑銘

  • 著者名:小島信夫【著】
  • 価格 ¥1,463(本体¥1,330)
  • 講談社(2019/09発売)
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  • ISBN:9784061984905

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内容説明

アメリカ人の父親と日本人の母親の許に生まれた、トーマス・アンダーソンこと浜仲富夫。日米開戦を機に、日本人として生きることを強いられる。坊主頭で国民服を着て、剣道を習い、国策映画では悪役アメリカ人を演ずる。そして入営。青い眼の初年兵は、異父妹への想いを支えに、軍隊生活のつらさに耐える。だが、山西省から米兵と対峙するレイテ島に転進。極限状況の中でアイデンティティを問う、戦争文学の白眉。異色の戦争文学……日米混血の日本兵、その壮絶な自己喪失の過程を描く。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

flat

5
日米のハーフである主人公が日本の軍隊に入隊するも完全な日本人としては受け入れられない。見た目が米国人であり、英語も話しインターナショナルスクールで教育を受けた者が日本の軍服を脱ぎ、米軍の軍服も着ていないならというアイデンティティの問題になるが、その中で連続した属性と含まれる文化といったものは重要な要素で有り、それが断絶し且つ切り替えられてしまった場合、自身の中に含まれる自分という考えの形は外的要因に歪められている。それが無くなった時に残る自分は一体何者なのだろうかというのが此の作品の問い掛けになるだろうか2016/02/26

Tonex

4
解説に、他の人が書いた戦争小説と趣きを異にしていると書かれていたが、個人的にはわりとストレートな戦争小説のように感じた。アメリカ人と日本人のハーフである主人公のアイデンティティ問題や、妹との許されぬ関係などの素材は面白いと思うが、基本的に描かれているのは、旧日本軍という組織の不条理さとか、極限状態で壊れていく兵士たち、その日常生活、無意味な死といった、戦争小説にはよくある話なので、それほどのインパクトは感じなかった。小島信夫の小説ということで、読む前に期待しすぎたのかもしれない。2015/02/07

三柴ゆよし

4
トーマス・アンダーソンと浜仲富夫というふたつのアイデンティティの狭間で揺れる主人公の「獲得」と「喪失」の物語。ラスト数ページは読み進めるのがつらかった。そして、最後の一文で打ちのめされた。救いがない。けれども、その救いのなさの裏に垣間見えるユーモアはなんなのか。小島信夫は決して読みやすい作家ではないけど、もっと読まれるべき作家であるとも思う。不思議な作家だ。2009/05/10

kentaro mori

3
分裂するアイデンティティ。ここから『寓話』へ・・・⚫️立ちどまると、私の妹がいった。 「それでは兄さん、気をつけてね」 「ああ、気をつけて行くよ」 「でも、気をつけるって、どういうことかしら」 「それはそうだな」 と私はつぶやいて笑った。2020/04/24

もろろろ

3
戦争ものである。にしては奇妙だ。戦っている感じがしない。一見普通の学校生活のひと時のような気もする。ある種の軽さがある。でも死ぬ。戦争は紛れもなく起こっている。といってもそれは富夫を直接悩ませるテーマではなく、アイデンティティが演技的で不根拠なものということが全体を支配している。戦争はある種の象徴として前景に退き、仲間と自分との乖離がどうしようもなく、笑えるのだが、「戦争」ということで死ぬことが確定している。どんな現実でも悲劇的な要素のみで構成できるわけでなく、そのモヤモヤさは何よりも厄介で悩ませる。2011/01/01

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