内容説明
いま、全国で急速に「野球少年」が消えている。理由は少子化だけではない。プロとアマが啀(いが)み合い、統一した意思の存在しない野球界の「構造問題」が、もはや無視できないほど大きくなってしまったからだ。このままいけば、三十年後にはプロ野球興行の存続すら危ぶまれるのだ。プロ野球から学童野球まで、ひたすら現場を歩き続けるノンフィクション作家が描いた日本野球界の「不都合な真実」。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kawa
37
日本野球の将来を憂う書。客単価アップ戦略が功を奏して盛況のプロ野球界の由、全国的には野球少年の減少により20年後の野球界は暗いようで、そのための数々の処方箋を提示する。様々な団体の利害が錯綜する野球界。容易なことではないように見受けられるが、明日の大谷選手の出現可能性が低下することは寂しいことですね。気軽に野球ごっこができる場造りと、将来を見据えられる良き指導者の出現が鍵か?2023/09/14
金吾
29
小学生から大学生まで野球をしていましたが、楽しんでいたかといわれるとそうではありませんでした。やはり自分もそうでしたが、指導者も含め勝つことを目的にしていたからなのかなあと思います。時代に伴いスポーツや野球の価値が変わっていきましたので、不必要な拘束は緩和しないと厳しいのだろうと思いました。2023/12/18
マッちゃま
22
野球ファンからしたら衝撃的だし聞き捨てならないタイトル。少子化のペース以上に子供たちの野球離れが進んできている→する側の野球人口の急激な減少→見る側が高齢化→野球消滅となる訳です。まあ〜こんな簡単な考察ではなくなぜ離れていくのか?なぜ減少したのか?した結果から推察される未来、今の現場の取り組みなどが書かれております。NPBのシーズン中は夕方に夕飯が食べれる休日や早出帰りの日の楽しみはTVの前に御膳を並べての野球観戦。僕の安い楽しみまで奪わないでほしい。釣りでいうところの「海を守るのなら森から」っすかねえ♪2020/03/23
きみたけ
20
プロ野球から学童野球まで現場を歩き続けたノンフィクション作家が描いた日本野球界の「不都合な真実」。アマチュア野球にはびこる勝利至上主義と根性論からなる間違った指導法は子供の将来を奪っている現実があり、先日読んだ「甲子園という病」でも痛切に訴えていました。侍ジャパンの常設により球界の壁を破るきっかけになるかと思いきや、プロとアマの間にある構造問題はとても大きく立ちはだかっているのが現状です。小中学生の指導者はぜひとも子供たちの将来を第一に指導してもらいたいです。2020/12/29
miu
17
なんてショッキングなタイトル。野球人口は減少傾向にある。地上波で野球中継をしなくなり、公園や空き地でボール遊びは禁止。共働き家庭と年収の減少で子供に野球をさせられる環境がどんどん少なくなっている。サッカーのように統一されている訳でもなく、プロ野球界の重鎮は居座り、プロとアマの壁は高く厚い。野球振興のために何ができる?!こんな面白いスポーツが消滅するなんて絶対イヤだ。NPBの責任は重大。2019/09/23