エレベーター

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エレベーター

  • 著者名:ジェイソンレナルズ【著】/青木千鶴【訳】
  • 価格 ¥1,980(本体¥1,800)
  • 早川書房(2019/08発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
  • ポイント 540pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784152098788

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内容説明

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15歳のウィルは射殺された兄のかたきを討つため、銃を持ってエレベーターに乗り込んだ。自宅のある7階から地上に到着するまでの短い時間に彼が出会う人々とは……ポエトリーとタイポグラフィを駆使する斬新な手法で文芸賞を席巻した注目作、ついに日本上陸! エドガー賞YA部門、ロサンジェルス・タイムズ文学賞ほか多数受賞!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

🐾Yoko Omoto🐾

152
兄が射殺された。犯人はきっとアイツだ。兄が部屋に隠し持っていた拳銃を手に、自宅のある七階からエレベーターに乗り込むウィル少年。逸る気持ちに反してエレベーターは各階に停止し、その度に思いもよらぬ人物が乗り込んでくるが…。子供なりの掟に従い復讐を誓いつつも、恐怖心に揺れる少年の心情を、散文詩のような文体で綴った印象的な作品。子供が簡単に銃を手に出来るような国で、呆気なく人を撃ってしまうような子供になってほしくない、そんな作者の思いが伝わってくるようだった。どこか「怪物はささやく」を想起させるような良作。2019/10/26

ケイ

147
活字の並び方、ページのレイアウト、そして装丁が非常に工夫されていて、小説と漫画のあいだのような、 一種のアート作品として出来上がっている印象を受けた。英語で読んで、その感覚がつかめたらもっと中に入り込めるかもしれない。銃と少年ということで、中村文則氏の『銃』を思うと、あちらにある言いようのない悲しみや鋭さと比して、こんなにも死がたくさんあるのに「癒し」と「愛」を強く感じる。そして、それこそが作者が書きたかったことだと思う。2019/10/30

buchipanda3

95
詩のような文体の小説。主人公の少年ウィルの、内に、外に向けて発するようなリリックな文章にすっと取り込まれ、その空間に居合わせている自分がいた。エレベータという閉空間。他に誰もいないはずの無機質な空間。そこで起きた僅か一分程度の短い時間の出来事は不思議なものだが確かなものだった。どこか幼さを残す少年と大人達の淡々としながらも生々しい会話。肉親や仲間の愛情なんて優しい言葉は似合わない雰囲気だが、確かな思いが力強く伝わってきた。ガシャンというエレベータの停まる音が聞こえてくる。その音を耳に残しながら本を閉じた。2019/08/24

aquamarine

89
兄を射殺され、掟に従って犯人を射殺しようと部屋を出てエレベーターに乗り込んだウィル。エレベーターが一階に下りるまでの短い間に各階から乗り込んでくる人たちとの会話が、ポエトリーという詩のような手法で、アーティスティックな横書配置と地模様を加えて綴られます。ウィルの葛藤が綺麗な翻訳で、すとんと胸に落ちてきます。銃や銃による人の死が身近でない私達は現地の人とは受け取るパンチの大きさは違うのでしょう。それでもラストの二語は息を飲みました。各階のボタンの挿画と鉄格子のイラストが雰囲気を増してとても良かったです。2019/10/03

藤月はな(灯れ松明の火)

83
兄ショーンが死んだ。少年は身を引き裂かれるような悲しみに襲われ、決意する。長い事、伝えられてきた掟に従い、兄の仇と目した男を銃殺しに行こうと。しかし、仇の元へ向かう中、兄貴分だったバック、初恋の相手、ヤクの売人をしていた伯父、伯父の仇を取った筈の父などがエレベーターに乗ってくる。しかし、彼等は皆、死者なのだ。彼らが死を迎えた時の理不尽さ。呆気ない真実。彼らと話す内に見えてくる迷いや怯え。そして…。最後の言葉が意味する事にゾッとした。それは繰り返しの悲劇。断ち切ろうともできない環境があるのだ。少年はどう選ぶ2019/11/02

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