内容説明
悪性の脳腫瘍で病院に運ばれた夕夏。夜中に泣いていると謎の男が現れ「大切なものと引き換えに命を助ける」と持ち掛けられる。翌朝、腫瘍は良性に変わっていたが夕夏からはここ2年間の記憶が消えていて――
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
さてさて
150
『記憶を失う前がどうだったか、というのは関係なく、今の自分の気持ちに正直になったほうがいい。でないと、あとで後悔する』。そんな言葉を口にする俊介に『今の自分の気持ち』を思う夕夏。この作品には夕夏が、『二年間の記憶を犠牲にして、生きることを選択』した先の物語が描かれていました。銀行員の”お仕事小説”としても楽しめるこの作品。辻堂さんらしく、ファンタジーではなくミステリであることこそが結末の感動を倍増させるこの作品。自分にとって『最も大切なもの』とはなんだろうと考えてもしまう、感涙必至の素晴らしい作品でした。2026/07/25
ウッディ
104
脳腫瘍の大手術を受けた夕夏は、悪魔と名乗る男性から、「命と引き換えにあなたの大事なものをもらう」と告げられ、翌日、医者から腫瘍が良性であったことを告げられ、2年間の記憶を失う。SFチックな物語かと思いきや、ラストの種明かしによって、悪魔の正体がわかり、パズルのピースがきちんと収まっていく心地よさを感じました。記憶を失った2年間の謎と不都合が生じた銀行業務と仕事の人間関係、両親と距離を置き、一人で生きてきた夕夏の過去など、甘いだけの恋愛小説で終わらず、しっかりと描かれていた点も良かったです。面白かったです。2023/06/07
mariya926
103
最初、ファンタジーだと思って読み始めたので騙されました。純愛っていうか、久々に応援したくなる恋愛物語。読メさんの間で一時期辻堂ゆめさんが話題になっていたので気になっていてまだ2冊目ですが面白いです。こんなにいい感じなのに意外とレビュー少なかったのに驚きました。水上さんが内心は落ち込んでいるのにクールにしているのがツボりました。2024/04/04
となりのトウシロウ
82
急性の脳腫瘍で倒れて緊急手術をした河野夕夏。手術後の医師とのやり取りで悪性腫瘍だったと察した。その夜現れた悪魔と名乗る男は夕夏に「命を助ける代わりに君の最も大切なものを奪う。」と取引をする。翌朝、目覚めた夕夏は2年間の記憶が無いことに衝撃をうける。辻堂ゆめお得意の不思議なお話で、お仕事小説でもあり、恋愛小説でもあり、ミステリー要素もある。入社したての新入社員が、いきなり3年目の先輩社員として働かなくてはいけないハラハラ感。家族や後輩と初心で接してありがたみを感じたり、記憶と引き換えに得たものは大きい。2023/07/30
J D
81
想像を超えてきた。読み友さんのオススメだったので内容は折り紙付きだったけど、それを軽く超えてきた。おじさんが読んでも楽しめた。辻堂さんの世界って温かさがあっていい。後輩二人とのやり取りやクレーマーの木下昇とのやり取りは、この作品を支えている夕夏の優しさをうまく表していると思う。心を温めたい方にオススメです。2024/03/10




