内容説明
「あのころの未来」を、私たちは生きている。
伝説のマーケティング雑誌「アクロス」元編集長の時代を読み解く視点
1980年代を知れば、2030年が見えてくる!
■「シンプルな消費者」と「クールな支配者」の時代
平成時代はバブル時代との対比で語られることが多い。だが私にいわせれば、バブル時代は非常に特殊な時代であって、一九八〇年代の前半には、平成時代につながる価値観、生活文化の芽生えがあったと思う。私が一九八二年から一九九〇年まで編集部に在籍していた雑誌『アクロス』が一九八〇年代を象徴する雑誌であること、時代の三歩先を予測する雑誌であったことは自他共に認めるものであり、一九八〇年代という時代を知る上では、最も効率的な資料である。そこから平成三〇年を経た現代につながるテーマを見つけ、近未来を予測していく、というのが本書のつくりである。(「はじめに」より)
【目次】
第一章 記号の消費から交換の消費へ
第二章 豊かな社会から小さな幸福へ
第三章 格差社会に破れた人々の反動化
第四章 一夫一婦制の終わり
第五章 街は屋台と市場になる
第六章 虚構化する都市と縄文回帰
第七章 知性からの逃走と呪術への解放
第八章 柔らかい全体主義
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Porco
14
今という時代を論じるとき、比較対象としてバブル期を重視しすぎていたのかもしれません。それ以前と比べてみると、一貫した流れが見えてきます。そのうえで、今という時代の特徴も、改めて浮き上がってきます。2019/07/03
S.Mori
13
1980年代に現代社会につながる動きがあったとする視点が斬新で、面白かったです。例えば、贅沢に暮らすのではなく質素に暮らすのがお洒落だという考え方です。著者はバブル期は異常な時代と書いており、共感できます。多くの人が湯水のようにお金を浪費するのは、どう考えても正常ではありません。最終章の「柔らかい全体主義」では現代日本の危機的な状況が描かれています。閉塞感に満ちた社会のゆえに愛国主義が高まり、個人が抑圧されるとのこと。→2020/04/17
パキ
2
なんだか昔から著者が雑誌で書いたものを編集して読まされてる気分になった。つまらないわけではなかった、ただ、何か新しい視点とか気づきを期待して読んだものの、そうしたことがなかった点が残念だった。2021/08/10
Gen Kato
2
「シングルであることが独身貴族のような華やかなイメージから、非正規雇用、低所得といった暗いイメージになってしまったのが平成という時代である」「特に何があるわけでもない谷根千のような町が注目されたのは、特に何があるわけでもない町こそが東京では珍しくなっていたからである」と作者が見る「現在」。はたして30年後はどうなっているのか…2019/07/01
Tatsuhiko
0
著者のアイデア(ファスト風土とか)は前から知ってたけど、著作を読むのは初めて。しかしまぁ乱暴な議論を展開してるなと思った。文章自体怪しい箇所も幾つかあり、きちんと校閲されてるのか気になる。80年代に自分が編集してた雑誌に今とつながる視点があったんです、ということを聞いてもほーそれで?となるだけで、なぜ当時の視点が今再浮上することになったのか、その視点を今後を見通す上でどう補助線とするのか、という議論が展開されなければならないと思うのだが、著者は軽薄な時代理解をひたすら述べるに終始している。2019/04/27
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