内容説明
男にとって大切なのは、一人前になることです。それは、自分のするべきことはなんでもできること、自分のするべきことはなんでもすると覚悟して、なんでもすることです。もちろん、できないこと、わからないこと、知らないことを、素直に認めることでもあります。かんたんなようで、なかなか困難な、これが男の生きる道。男も女も、この本を読んで、一人前になってください。
目次
第1章 男には男の「自立」がある
第2章 日本の息子達が「自立」で悩むのは、日本の父親達が自立していないからである
第3章 「男の自立」とは、なれあいからの脱出である
第4章 大人の中の「子供」に学ぶ
第5章 「できない、わからない、知らない」を認めよう
第6章 男にとって重要なのは、「自立」ではなく「一人前になること」である
第7章 「成功への道」は遠く、そしてその道は、「なんだかわからないもの」である
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うりぼう
101
ブックオフで購入。内田樹氏の著書で「出版されたら即買い」の橋本治さん。いかにもという感じで、理詰めで思考する所や、ユニークな発想が内田氏と相似型。ものすごく素直な著者が、自分の経験を通じて「自立」を語る。優しさに溢れた家庭に育ち、対極の学校生活、11年目の「逆上がり」の気づき。「できない」ことを認めることが「できる」につながり、「知らないタイプの人間」であることを認めることから、「人間関係」も始まる。「できるかも」というかもの法則が、一人前になる第1歩。「自立」は「孤立」でなく、他人の思惑から自由なこと。2010/10/28
あちゃくん
20
直近で読んだからっていうのが大きいのですが、堀江さんの「ゼロ」と考え方が近い気がしました。自立し一人前になるという営みは一歩づつそして生きている限り続くものなんですね。2014/02/04
阿部義彦
17
2000年刊、ちくま文庫。親本は97年刊のごま書房。初見です。大変丁寧で治ちゃんの中では「人生相談」くらい分かりやすいです。(当社比) 『「自立」とは人から嫌われる事です。「自立する女」は男からも女からも嫌われた。そうやって「悪い女」と言われるのを恐れない強さを身につけた。「男の自立」だってそれと同じじゃなきゃいけない。』『「出来ない事を認める」そうしないと社会に適応出来ない人間になる。そんな人はすぐ「社会が悪い」と言う。そんな人は「良くない社会」を変えるのも出来ない。恥ずかしいですね。』一人前になろう2025/06/23
fonfon
7
ご紹介したい言葉が満載、治ちゃんいつだって本気の啓蒙家!と感服。「世の中っていうのは男同士の関係でできてる」「男同士の関係をなくしてしまった男は女に嫌われる」これだけ抜き書きしても、意味不明でしょうから、気になったひとは是非読んでみて!「責任を放棄して居心地のいいところにばかりいると、人間は退廃する」,はい、これも真理ですよ~。「自立というのは馴れ合いになってしまった関係からの脱出」それはそうだ!でも人間って命がけのトラブルに遭遇してさえも、他人の忠告を聞きいれて人生航路変更、がなかなかできないもの(涙)2011/11/21
Bartleby
3
「どんな人間かわからない相手には、「まだつきあい方がわからない」と思えばいい」人付き合いの苦手な僕はつい人と接するのを避けてしまいがちになる。そんな時には橋本さんのこの言葉を思い出すようにしている。2011/03/24