岩波新書<br> マキァヴェッリ 『君主論』をよむ

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岩波新書
マキァヴェッリ 『君主論』をよむ

  • 著者名:鹿子生浩輝
  • 価格 ¥946(本体¥860)
  • 岩波書店(2019/08発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784004317791

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内容説明

権謀術数を是とする政治家、人心掌握に長けた戦略家……政治学の古典として、あるいは帝王学のバイブルとして愛され続けるマキァヴェッリ。しかし、その本当の姿は、彼が生きた時代から理解しなければ見えてこない。家族と祖国を愛し、自由と人間を愛するマキャヴェッリが真に伝えたかったことは何だったのか。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

107
マキアヴェッリの「君主論」が現在でも読まれているということですが、その読まれ方が異なっているのではないかということがよくわかります。彼の生きた時代やその書かれた背景などをかなり克明に分析されていて新書で読むのはもったいない感じがしました。この時代については塩野さんの作品とコミックでしかあまり知らないのでかなり有益な本でした。2019/06/16

skunk_c

64
目的のためには手段を選ばないという意味で「マキャベリズム」は用いられ、その由来が『君主論』にあると一般に思われているが、それが表層的な読み方に過ぎないことを論証している。『君主論』のほか『ディスコルシ』などからも検証されているが、原著に当たらないと分からない面もあった。また、「ヴィルトゥ」「フォルトゥナ」が術語として用いられるが、日本語に訳しにくいようで、ちょっと読みづらい面も。マキャヴェッリが現実主義者であり、キリスト教信仰が深くない人物であったことが、評価に影響してるのかなとも。かなり深い著作だった。2022/09/30

trazom

28
「愛より恐怖」「慈悲より残酷」などとされるマキァヴェッリの君主論であるが、著者は、きちんと読めば、マキァヴェッリが、君主の種類と権力獲得の方法に分けて説いている――暴力的に権力を奪取した「新君主」には暴力や悪徳を、「世襲君主」には徳を奨めている――ことが分かる筈だと解説する。この本の難点は、とても読み辛いことだ。ブツブツと切れる文章に難渋するし、また、「ディスコルシ」などの他の著作や、フィレンツェの政治状況などの背景の知識が要求される。最近多い「読み易いけれど何も残らない」本よりマシだが、何とも辛かった。2019/07/12

浅香山三郎

21
マキャヴェッリは近代国家を見通していたといふ話はしばしば聞くがそれは誤解であり、『君主論』を当時の歴史の流れのなかに置くと、その時代なりの論理が見ヘてくるといふ。イタリアとフランスの中世史に関する知識がないと分かりにくいところもあるが、君主国の様々なパターンを分類し、それぞれに異なる支配策を講じるやうに論じ、彼自身の経験(例ヘば自前の軍隊の有用性)をベースにしたこの時代なりの合理性をうち立てやうとする。具体的には、キリスト教的理解が万能でなくなる時代の理解の図式の模索といふことだが、本書はマキャヴェッリ↓2020/10/10

masabi

16
【概要】「君主論」を当時の状況に即して読み解く。【感想】マキァヴェッリの独自性は、国家の安定のために辣腕を振るわざるを得ない君主にいかに効果的な悪徳の振る舞いをするかを詳述した点、市民が武装する市民軍の創設を提言した点にある。他は同時代人にとっても常識外れといったわけではなかったようだ。マキァヴェッリの政治思想を紐解く本書から逸れるが、「君主論」が時代を超えた古典となっていった経緯、誤解が重なっていく様についても知りたくなった。2019/06/08

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