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内容説明
日本人の多くは、朝鮮戦争に関してわが国は傍観者だったと思っている。だが、実は当時の日本国内には共産革命の司令塔・極東コミンフォルムによる「武装闘争」指令が下っていた。わが国は戦争と革命の波に巻き込まれていたのだ。GHQ、トルーマン、スターリン、毛沢東らは日本とアジアをどのように改造しようとしたのか。朝鮮戦争はいかにして起こり、日本は紛争に巻き込まれたのか。知られざる日本・台湾の「侵略」工作とともに、敗戦後から朝鮮戦争に至る空白の戦後史が遂に正体を現す。 ●敗戦後の日本を襲った「敗戦革命」 ●野坂参三の「平和革命」工作 ●日本共産党と朝鮮労働党の共謀 ●革命の司令塔・極東コミンフォルム ●中国共産党に操られたトルーマン民主党政権 ●台湾を守れ――根本博と「白団」の活躍 ●原爆開発と朝鮮戦争への道 ●朝鮮戦争をめぐる中ソの思惑と対立 ●日本共産党の武装闘争 ●北海道侵略の危機 ●左右の全体主義と戦った日本社会党
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ばたやん@かみがた
92
《侵略に対抗する拠り所》時代は敗戦から台湾巡る国共の戦争挟み、朝鮮戦争集結まで。ほぼ、日本が米軍の占領下にあった期間に相当しますが、この間如何に日本が中ソ初めとする共産主義の脅威に曝されていたか、日本・台湾・朝鮮半島で行われていた戦争や騒擾がその点を謂わば扇の要として固く結び付いていたかを各種文献から掘り起こします。戦争直後から独立までの裏面史といった赴きです。/第一に、中ソを初めとした共産勢力が、日米の時に政権中枢に食い込んでいた史実に驚かされます。(1/7)2022/02/26
南北
49
前著「日本占領と『敗戦革命』の危機」に引き続き、2.1ゼネスト以降朝鮮戦争までの戦後史。以前は朝鮮特需で景気回復した話だけが喧伝されていましたが、日本の協力がなければ、アメリカ軍が朝鮮戦争で戦えなかったことや一時はソ連からの侵略を覚悟し、仙台以北はソ連領になってもやむを得ないと覚悟した時期もあるというのは驚きました。あまり報道されない韓国の反文在寅デモや香港のデモを他人事のように眺める向きもありますが、台湾での根元中将の活躍や山口県が独自の諜報活動を行っていたことなどを知ればその考えが誤りだとわかります。2019/12/16
ゆきこ
25
戦後日本に仕掛けられた共産革命工作の実態と、朝鮮戦争に至る経緯、その危機に日本はどのように対応したのか、がまとめられた一冊。現代史は複雑で難解で苦手ですが、読むのに苦労してでも絶対に読んでおくべき内容が満載でした。歴史的にはつい最近といえる数十年前の出来事なのに、知らないことが多すぎて、もっと勉強しなければ!!と思いました。2021/03/09
fseigojp
13
スターリンと毛沢東の確執が日本を守った2019/11/07
新父帰る
11
朝鮮戦争勃発時、北東アジアの運命は全てスターリンの手の内にあったことが本書で解明されている。中国の台湾侵攻と北朝鮮の南鮮侵攻そしてGHQ占領下の日本共産党の暴力革命と北海道侵攻各々の鍵を全て握っていたスターリン。その鍵を効かなくしたトルーマンとの攻防が見事に描かれている。スターリンの日本に対する恐怖が中途半端でないことが、詳しく書かれているので、大変興味をそそる。今のプーチンが北方領土を返す兆しを見せないのも、スターリンに通じるものがあるのでは。朝鮮半島が北指導で統一されると本当に日本はヤバイと感じた。2019/09/06