ポプラ文庫ピュアフル<br> この夏のこともどうせ忘れる

個数:1
紙書籍版価格 ¥704
  • Kinoppy
  • Reader

ポプラ文庫ピュアフル
この夏のこともどうせ忘れる

  • ISBN:9784591163436

ファイル: /

内容説明

高校三年、受験生の圭人は塾の夏季合宿に参加し、学校で同じクラスの香乃と同室になる。苦手なグループにいる相手を窮屈に感じていたが、眠れない夜を過ごすうち、圭人は香乃にある秘密を知られてしまう――「空と窒息」など書き下ろし5編。
夏休みという長い非日常、いつもと違う場所で出会い、交流する二人。暑さに眩む視界と思考の中で、変わっていく関係を描く。記憶に濃い影を落とすような青春小説。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

みやこ

68
彼も、そして彼女も。この夏に起こった出来事を決して忘れない。それは、心の底に夏が残していった大切な宝物。微かな痛みと共に思い出す、ひと夏の想い出。その夏の延長上に彼らはまだ共にいるのか。いて欲しいと思ったり、いないだろうと思ったり。そもそもありえなかったり。それぞれの話の「ふたり」の関係が透明感のある文体で書かれた短編5編。爽やかな青春物かと思って読み始め、衝撃を受けた「空と窒息」。やるせなくて涙が滲んだ「宵闇の山」。二人の幸せを切に願った「生き残り」。チクチクと胸が軋む読後感に浸っていたいお借り本。→2020/08/29

66
夏休みという永遠を生きる高校生たちを描く短編集。本書は、巷に溢れる思春期の苦味や切なさを描いた有象無象とは明らかに一線を画している。透明感のある文章は、痛みに寄り添う柔らかさと、傷口を抉る危うい鋭さを帯び、行間から匂い立つ真夏の空気は溺れそうになるくらい濃密で、読み進めるだけで息苦しさを覚えるほど。少女たちの戯れが…夏祭りと幻が…高校生最後の夏が…物語は膨らみ始めたかと思えば、突然ふっと終わる。そしてタイトルを見返し、その秀逸さに胸を轟かすのだ。青春小説の隠れた傑作であり、決して忘れられない一冊になった。2020/09/16

よっち

36
塾の夏季合宿に参加した受験生・圭人が抱える秘密、友人の家に姉妹で招かれる夏休みの日々、打ち上げ花火と男の子たちの夏、恋多き女子高生・梨奈が出会った篠くんとの恋、海で出会ったアオと出会い思い出す父親へ想い。夏休みという長い非日常を舞台に、いつもと違う場所で出会い、交流を深めてゆく中で、登場人物たちにこれまでなかった新たな心境が芽生えていく様子が繊細な描写で描かれてゆく連作短編集で、戸惑いながらも向き合い受け止めるようになってゆく姿がとても印象的でした。個人的には「昆虫標本」と「生き残り」が良かったですね。 2019/08/05

タカギ

32
8月中に読みたかったな…。夏、高校生、2人の関係の変化。短編が5つ。タイトルも表紙もまさに青春小説という感じで、内容がそれにも増して素晴らしい。男性と女性の一人称が交互にくるので、読み始めは若干戸惑うけど、すぐのめりこむ。全体的にうっすらセクシャルなものを感じさせる。とても良かったです。2019/09/01

りこ

28
高校生たちの夏のひとときを切り取ってガラス瓶の中に閉じ込めた、奇跡のような短編集。感性を突き刺すことばたちの間を揺蕩う。少年と少女が過ごす時間たちは、儚くて、退廃的で、溺れたくなるほど輝いてみえた。いちばん好きだったのは四編目の「生き残り」だ。まっすぐに恋をする女子高生が、同級生の男の子の事情を深く知り、腕を取ってどこかへ行こうとする。ずっとどこまでも行けるわけではないことを知りながら、それでも永遠を手に入れようとする姿に、胸がじくじくと痛んだ。濃密な時間たちを描いたこの作品集の表題を改めて見て痺れた。2019/08/06

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/13974018

ご注意
リンク先のウェブサイトは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」のページで、紀伊國屋書店のウェブサイトではなく、紀伊國屋書店の管理下にはないものです。
この告知で掲載しているウェブサイトのアドレスについては、当ページ作成時点のものです。ウェブサイトのアドレスについては廃止や変更されることがあります。
最新のアドレスについては、お客様ご自身でご確認ください。
リンク先のウェブサイトについては、「株式会社ブックウォーカー」にご確認ください。