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内容説明
ネオ・リベラリズムがもたらす現代の苦悩……本当に「この社会しかありえない」のだろうか?「右/左」に替え、「ロック/ルソー」の対立で歴史を読み解けば、この社会の構造がよくわかる。気鋭の「哲学者」が大胆に描く、歴史の隠された法則と「新しい社会」への道標。 * * *[目次]序 この社会って、こういうもの?――ゼロから社会を見直すこと第一章 この社会はどんな社会なのか――「右/左」の対立の本質第二章 いまはどんな時代なのか――「ロック/ルソー」で辿る近現代史第三章 いま社会で何が起きているのか――ネオ・リベラリズムの「必然性」第四章 資本主義の「マトリックス」を超えて
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
69
今こそ哲学に回帰しよう、という問題提起の書。ロック、ルソーの扱いは原著を読んでいないため正しいかどうか判断できないが、ひとつの視点として面白いなと思った。最終章のマトリックス云々の話にやや混乱したが、おっしゃりたいことはざっくりと(とてもざっくりとだが)わかった。2019/09/20
seki
16
啓蒙思想家ロックとルソーの対比から右派左派に分かれる経済論を読み解く意欲作。自由経済主義を説くロックと社会主義を説くルソーに揺れる資本主義を歴史的に説明するところは他作にない面白さである。ただ、これからの資本主義のあり方を映画マトリックスに例えていたところは何度読み返しても分からない。タイトルの「資本主義に出口はあるのか」というところも曖昧である。どのような経済主義が良いのか?やはり答えはなく、その時代に合ったやり方があるとしか言いようがない気がする。2020/04/05
Don2
10
面白い。右/左ではなくて、ロック/ルソーの分類で資本主義に対する姿勢を分類すると見通しが良くなる、という旨の本。ロックは個人が作ったモノに所有権を認め、土地の活用を推奨し、それによって倫理が実現されるとする。自由経済的。対してルターは民衆に一般意思への同意を求める。ロマン主義的。近代の歴史はロックを基調にしつつ、ロマン主義的にファシズムやナチ、共産主義が変革に挑戦し、失敗してきた。この眼鏡でみると日本の政党の主張とか学校教育の哲学、それに対する私の共感や違和感、そしてそのいかんともし難さがよくわかった。2024/09/26
うでぃ
9
大学の授業の教科書として購入致しました。 ロックとルソーの対比から資本主義というものを考察しており、このような分野に全く知識のない僕でも理解しながら読み進めることができました。 後期はzoomでの授業でしたが、優しそうな人柄に癒されました。是非単位をお恵みくださいませ。 レポート頑張らなきゃなぁ… 2021/01/03
金北山の麓に生まれ育って
5
【社会人が読み直す政治経済学史】として平易で公平(例:ナチズムへの水平な視線)な良書、題名がわざとだろうが珍奇、問いの答えは書いてありません。初期の西部進がルソーが「革新」のオリジンと連呼していたし、バランスよく整理してスラスラ読めたがさほど驚きはなかった。自分が知らなかった事、例えばロマン・教養主義論等は収穫。最終章のマトリックス議論は「ネオリベラリズムを唯々諾々と受け入れるな若者達」と言いたいのだろうか、「新しい社会の可能性を考える(序)」という筆者の楽天性には正直なところ共感出来ません、私は。2020/08/03