ハヤカワ・ミステリ文庫<br> 潤みと翳り

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ハヤカワ・ミステリ文庫
潤みと翳り

  • ISBN:9784151835520

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内容説明

企業の研修キャンプで森に入った5人の女性。戻ってきたのはそのうち4人だけだった……。連邦警察官フォークが辿り着く真相とは

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

のぶ

86
前作の「渇きと偽り」が良かったので期待して読んだが、それなりに楽しめた。会社の研修で森に入った同僚女性5人が遭難する。4日後に脱出するが、そのうちの一人、アリスの行方が分からなくなっていた。アリスは裏の顔である事情を抱えていた。遭難か、事件か?手掛かりはアリスが携帯電話に残したボイスメッセージ。物語はこの謎を中心に進行する。展開に大きな変化がないので、やや退屈な部分もあるが、アリスが無事に戻って来るのか?森の中の密室状態の中で何が起こったのか?いろいろなものが盛り込まれ、面白い作品だった。2019/09/29

Panzer Leader

76
オーストラリア大自然の中での合宿研修に参加した会計事務所会社の女性5人のうち一人が行方不明となる。その女性から会社の内偵情報を得ていた連保警察官フォーク達が彼女の捜索に乗り出す。大自然の中で段々と追い込まれていく女性陣の閉塞感とフォーク達の捜査状況を、また寡黙で不器用なフォークとその亡父との確執を織り交ぜながら交互に描いていく。派手な要素もないし決して後味が良いとも言えないが最後までサスペンスフルに読ませる作者の力量はお見事。2020/03/02

papako

73
渇きと偽りの連邦警察官フォークシリーズ続編。最近読んだのに、まったく記憶がない!でも大丈夫でした。ある企業の研修で国立公園を3日間ハイキングしていたグループが道に迷い、一人の女性アリスが行方不明に。アリスはフォークの捜査の情報提供者だった。彼女はなぜ行方不明に?捜査の行方は?森林に閉ざされた五人の女性の追い詰められる様子が息苦しく、フォーク達の捜査側との対比が効いている。女性同士、姉妹、母娘の煮詰まった想いが噴出する。フォークは父親の記憶に向き合い、自分に向き合う。とても楽しめました。再読しようかしら。2019/12/19

キムチ

66
企業の合宿研修に参加した5人の女たちの「状況」と連邦警察の捜索が交互に進行する形(最近、よくあるパターン)衝撃のサスペンスという割には「助けて」と「アリスはどこにいるの」のフレーズ、残り4人の嬌声ともつかぬ喚き散らしで引っ張る。中盤を過ぎると些かうんざり。エグゼクティブの兄妹やら、双子やら、探れば出てくるであろう喧嘩にはあまり深みを感じなかった。2作目というし、結構筆力はありそうなのでメルボルンの森林の情景を楽しむことで終わった。捜査官フォーク・・人間的魅力を感じるところまで至らなかった。2019/10/30

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62
🌟🌟🌟🌟☆。昨年、映画にもなった前作『渇きと偽り』の続編。一応続いているが、いきなりコレから読み始めても楽しめるようになってる。人物(キャラクターの書き分けの見事さ)、背景、状況等、描写がとても緻密で丁寧で解り易い。だから、行間から登場人物達の息づかいや表情から森で遭難した5人の女性の内輪の空気感、雰囲気、臭いまで見事に表現出来ている。自分もそこに居合わせるような錯覚を起こせる。散りばめた伏線の加減や混ざり具合、そして回収まで期待を損なう事なく最後まで読ませる力は見事と言う他はない。2023/04/02

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