内容説明
十年前に突如として現れた巨大な《悪魔》。歪な翼を持つ漆黒の異形存在である彼らによって、世界は壊滅状態となる。人類は《悪魔》に唯一対抗できる特殊能力を持つ子供たちを研究機関・神智学院に集め、ささやかな抵抗をしながら、死と隣合わせの中、なんとか生き延びていた。
神智学院に通うイザヤは、かつて《悪魔》に左腕を喰われ、忌むべき力を宿す少年。ある日、謎の少女アナに出会った彼は、驚愕の現象に巻き込まれる――。
「何度もわたしを救おうとしてくれて、ありがとうイザヤくん」
これは、無限に繰り返される絶望的な運命に挑む、不屈な少年の物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まりも
24
これは一人の少女を死から救うために、無限に繰り返される絶望のループに挑む少年の物語だ。主人公はかつて悪魔に母を奪われ、悪魔に喰われた左腕に呪いの力を宿した少年であり、ヒロインは世界から狙われる少女。誰一人として味方のいない少女を襲う理不尽な死から救い出そうと、何度も何度でも絶望のループと戦い続けるイザヤの姿に胸を打たれた。ループものとして見ると不完全に映るが、王道のボーイミーツガールとして読むと十分に楽しめるだろう。設定をもう少し活かせていたらループモノとしても楽しめたと思う。2019/08/15
まるぼろ
18
十年前に突如として現れた｢悪魔｣により世界は壊滅状態となるものの、その悪魔に対抗できる能力を持つ子供も現れた世界で、神智学園｢天使科｣の学生四ノ森イザヤは明星アナと言う少女と出会うが…というお話です。死に戻りな話ではなく実は真逆な話だというのも面白かったですが、イザヤとアナと、全ての元凶とされるイヤザの母との繋がりや、最後にアナを救いつつイザヤが…からのあの｢契約｣などなど、まだ謎とされている部分も多く、この先の展開が楽しみな作品だなと思いました。先ずは世界とアナを救ったイザヤですが、次巻も楽しみです。2019/08/26
まっさん
16
★★★☆ 十年前に突如として現れた巨大な〈悪魔〉。歪な翼を持つ漆黒の異形存在である彼らによって、人口は十分の一にまで激減し、人類は日々滅亡の影に怯えながら過ごしていた。そんな時、一部の子供たちに〈悪魔〉に唯一対抗出来る能力が発現し、人類は彼らを研究機関･神智学院に集め〈悪魔〉を討つために人材育成を試みていた。神智学院に通うイザヤはかつて〈悪魔〉に左腕を喰われ忌むべき力を宿す少年。ある日、謎の美少女アナに出会った彼はその自由奔放で天真爛漫な彼女のおかげで己が抱えた苦しみから解放される。彼女に恩義を感じて→2019/09/11
かっぱ
11
確定された少女の死を覆すために繰り返されるループに立ち向かう少年の物語。何も過ちを犯していない無垢な少女に課せられた死という運命を打ち壊すために、無限のループに挑むイザヤの姿はまさしく主人公のそれだ。ボーイミーツガールとしてはとても良い作品なのだけど、オチがどうしてもご都合主義なように読めてしまうのだけは残念だ。この一冊だけでは魅力的な設定を掘り下げきれていないけれど、イザヤがアナのために最後まで諦めずにもがく姿は素敵で、読み終わったあとの爽快な余韻は満足だ2019/08/24
真白優樹
9
十年前に突如現れた悪魔により壊滅状態に陥った世界で、悪魔の力を宿した少年が謎の少女に出会い始まる物語。―――例えその先が破滅でも、救いたい者がその先にいるのなら。幾度も絶望し、無限とも思える日々を繰り返し。そんな中、只一人の少女を救い出す為世界を敵に回して世界と彼女を天秤にかけてでも戦う。そんな少年の傷つきながらも雄々しいその背中が格好良く見える、グッときて心が熱くなる物語である。無限の繰り返しを越えた先、奇跡を掴んで得た新たな日々が始まる。果たして少年の次なる戦いとは。 次巻も須らく期待である。2019/08/13
