音楽の哲学入門

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音楽の哲学入門

  • ISBN:9784766425888

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内容説明

アメリカの気鋭の研究者による、音楽の哲学および芸術の哲学の入門書。
単なる音と音楽の違い、音楽鑑賞に必要な知識、音楽と情動の関係、音楽経験がもたらすスピリチュアリティなど音楽を哲学的に考察する。
 ベートーヴェン、ハイドン、ビートルズ、レッド・ツェッペリン、キング・クリムゾン、マイルス・デイヴィスやジャコ・パストリアス、ラヴィ・シャンカル――クラシックからポピュラー音楽まで、豊富な例とともに音楽の本質に迫る。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

1959のコールマン

16
☆4.5。かなり読むのに苦労したが、なんとか読めた。で、感想だが、ちょいと不満。著者が音楽について限定しすぎているような気がしてならない。音楽演奏者だけじゃなく、その回りの環境すべてを取り巻いた「音楽」または「音」論が最近出てきているが、あくまで演奏者が奏でる「音楽」に限定している。では水琴窟(すいぎんくつ)はどう考える?p37のオノヨーコ「トイレット・ピース」を音楽と認めている所をみると、音楽なのだろう。分からないが。まあ、それ以外の部分としては十分満足。面白いです。シャッグスが出てきたのにはビックリ。2019/05/20

きくらげ

15
音楽は言語的に記述しうる知識も総動員しつつ、文化的背景も含めて鑑賞しなければ聴けているとは言わない、という立ち位置。そうした基礎の上で崇高な音楽を、言語に捉えきれない経験の質を持つという意味に加え、圧倒的な経験を齎すという意味での二重の語り得なさを持つものであるとする。正直イマイチだった。オルタナティブがあるわけではないが、独断で議論を進めているように見受けられる部分がある点、議論の補強に現実に皆が好んでいるから正しいのだと言ってしまう点、そういうスタイルに自覚的でなさそうな在り方に疑問を感じてしまう。2019/07/29

1959のコールマン

11
点数は保留。哲学の本なのか音楽の本なのか今一よ~~~く分からない本。お前の読み方が悪いんだと言われればそれまでなんだが・・・。初心者向けの本であるので、つっかえもせずすらすら読める。だが内容が・・・。「だからなんなんだ?」と言いたくなる、当たり前のことをクチャクチャかき回しているような・・・。まあ、あくまで私の極私的な感想なので、読める人はちゃんと読めるんだろう。ワタクシはダメだったのでもう一度熟読してみる。2019/04/20

CCC

10
音楽を聴いている時、どこまで音楽そのものを聴いているのか。背景の情報の影響はどのくらい強いのか、という問題は前々から気になっていたが、それが取り上げられていて良かった。音楽の価値についていろいろ前提を立てようとした過去の言説を取り上げ、その言説が取りこぼしている例を考えるような形の話が多かった。ちなみに定義論もしっかりやっているが、ジョン・ケージは出てこなかった。ちょっと意外。2022/07/04

センケイ (線形)

5
私たちが音楽から何を受け取っているのか、が示されるのが大変うれしい。これまでの音楽の文脈と、その形式の更新との間に魅力が見いだせるという議論は、まさしく自分が音楽を楽しむために漠然と探していた議論だ。また、音楽は言葉で表現できないことさえ表現できるのか?という議論では、ガンの群れの複雑な動きが総体としてしか看取できないことを参照しており、これが面白い。自分の自己組織化への興味とも繋がる。確かに、近しい概念を紙一重で区別するような難読の箇所もあるが、訳注が手厚く助けてくれるおかげで楽しく読むことができた。2019/05/18

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