内容説明
呪いの解決法が書かれた本は延滞中!?
術師を生業としていた兄の命日に部屋へ黒い風が入り込んで以来、あやかしの姿が見えるようになってしまった有末かなで。ふわふわした喋る埃の塊のようなものに「呪い」だと言われ、対価(チョコレート)と引き換えに、「ひいらぎ文庫」に行けば呪いを解ける方法が書かれた本があるはずだと教えてもらう。
次の日の放課後、枯れ草だらけの原っぱと林を越えてなんとか「ひいらぎ文庫」にたどりついたかなでだったが、玄関前に寝ていた金色のキツネのしっぽをうっかり踏んづけてしまう。そのキツネに男の声で文句を言われ、喋るキツネなのか動物の言葉までわかるようになったのか混乱するかなで。そんなかなでを「ひいらぎ文庫」の中へ招き入れてくれたのは、「ひいらぎ文庫」の室長で浮世離れした美貌の長谷川柊だった。
ところが、かなでの目的の本は延滞中! 困るかなでを見かねた長谷川の厚意で、長谷川の式神だという喋るキツネの未明(みはる)を留守番役に、かなでは長谷川と一緒に延滞本を取り立てに行くことに。しかし、本の借主と一緒に本の行方がわからなくなっていて!?
あやかし×本がもたらす、心に響く思い出の物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
61
まだ一巻目なので文章が硬く、かなでの魅力もよくわからない。孤独な人間と孤独なあやかしの結びつきというテーマは今同じ著者で続いているシリーズでは一貫しているように思う。欲を言えばもうちょっと図書館ネタを盛り込んでいただきたい。シリーズ化期待してます。2019/08/14
はつばあば
44
兄の命日を機に、あやかしが見えるようになってしまったかなで。謎の図書室「ひいらぎ文庫」を訪れたら室長の長谷川と式神だというキツネの未明が。家族のいない彼らが少しずつ近づいて寄り添って絆を作っていく様子に、あぁこういうのいいなぁと。SNSでおびき寄せるのではなく・・情緒があるんです。この続きはきっとあるはず❕と期待しています。今日読ませてもらった「こっこ屋のお狐さま 」共々アタリでした(#^^#)2019/12/13
寂しがり屋の狼さん
34
兄の命日を機に、あやかしが見えるようになってしまった『有末かなで』彼女は、その解決法が書かれた本があると聞き謎の図書室「ひいらぎ文庫」を訪れる。あやかしと本がもたらす、心に響く思い出の物語に心が暖まります(*^.^*)2020/02/02
坂城 弥生
30
アリスがちょっと幼すぎる考え方の人だけど、それほど嫌みな感じを受けずに読めた。シリーズになれば良いな。2019/09/15
にゃうぴょん
13
かなでちゃんや柊さんと孤独な環境にいるけどなんだか優しいお話です。他のお話とも関連してきそうなところも気になります。かなでちゃんのお兄さんの死因とかも余り触れられていないし、続編希望です。2019/11/18