内容説明
夏目漱石の弟子であり、ほぼ同世代のカフカに通ずると評される夢幻的作品『冥途』で作家としての活動を始めた百閒は、昭和八年の『百鬼園隨筆』がベストセラーとなって注目される。本書は、百閒47歳から55歳までの「極めて特異な作家」の戦前・戦中の日常の貴重な記録である。
凡例:昭和15年7月~19年10月
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
AMU
10
後編になると戦況もより厳しく、入隊への見送りや警報やらの記述も増えてくる。そんな中大好きなお酒が入手できないのが何より辛そうな先生。 取っつきにくそうな風貌なのに人の世話焼きに労を惜しまない。だから借金ばかりでもまわりにあんなに愛されていたのだな。 エッセイ的面白さには欠けるが、確かにあの時代に先生生きていたんだなとじんわりくる記録。2019/09/17
bapaksejahtera
7
巻末に登場人物と事項の索引がある。上巻分を兼ねておりこれを参照したが到底親切とは言えない。解題を読んでみるとこの上下日記分は時代の影響もあって余り整理されたものではない。昭和17年分などそっくり欠けている。戦争が始まっても恬淡とした記述が続くが流石にこの巻では物資、殊にビールの不足が頻と述べられる。上巻に比べて体重は3貫以上減っている。相変わらず血圧高く不整脈が続く。郵船からの賞与も流石に欠け勝ちとなり再び借金に回る。居候を抱えるが、高利貸の借金は整理し終わる。今更であるがこの人の作品を読み返したくなる。2021/08/24
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