現実批判の人類学――新世代のエスノグラフィへ

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現実批判の人類学――新世代のエスノグラフィへ

  • 著者名:春日直樹【編】
  • 価格 ¥3,850(本体¥3,500)
  • 世界思想社(2019/08発売)
  • ポイント 35pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784790715498

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内容説明

自然と文化、人間とモノ、主体と客体の二項対立を無効化する地平に立ち、現実が現実として構築される過程を細緻に分析することによって、世界が変わりうることを示す。「人類学の静かな革命」に共鳴する、別の現実を想像=創造する試み。

目次

序章 人類学の静かな革命― いわゆる存在論的転換(春日直樹)
第Ⅰ部 軌跡と展望
第1章 世界を制作=認識する―ブルーノ・ラトゥール×アルフレッド・ジェル(久保明教)
第2章 所有の近代性―ストラザーンとラトゥール(松村圭一郎)
第3章 どうとでもありえる世界のための記述―プラグマティック社会学と批判について(中川理)
第Ⅱ部 人類学の推進力
第4章 民族誌機械―ポストプルーラリズムの実験(森田敦郎)
第5章 「揺れ」について―地震と社会をめぐる実験・批判・関係性(木村周平)
第6章 脳死の経験とその正当性(山崎吾郎)
第Ⅲ部 現実という批判
第7章 監査される事件、監査されざる場所―ある盗難事件をめぐる〈静かな革命〉へのパースペクティヴ(猪瀬浩平)
第8章 呪術的世界の構成―自己制作、偶発性、アクチュアリティ(石井美保)
第9章 病気の通約― 血糖自己測定の実践における現実としての批判(モハーチ・ゲルゲイ)
第10章 使えない貨幣と人の死(深田淳太郎)
第Ⅳ部 潜勢態としての現実
第11章 「性転換」という迷路―「性同一性障害」者における性自認をめぐる欲望と現実(市野澤潤平)
第12章 身体の宙ぶらりん―インド、オディシャーのブランコ遊びと現実批判(常田夕美子)
第13章 人間の(非)構築とヴィジョン(春日直樹)
あとがき
人名索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mittsko

5
清水高志さんの著書で紹介されていて手にとった ボク自身、インド研究を通じて 高度に哲学的な問いを、具体的歴史的な現象の分析=記述=説明を通じてやろうとしている この本はまさに同じ道を先に行ってくれていて 独りぼっちで行き詰ってばかりのボクを助けてくれるのでは、と思ったのだ そして…とても面白かった!直接の助けにはならなかったけど とても勇気づけられた ボクもがんばろう、という気持ちになれた なおとくに印象的だったのは 常田夕美子さん、春日直樹さん(編著者)、お二人の論文でした2014/01/31

★★★★★

4
ストラザーンやデ・カストロらに帰せられる「静かな革命」以降を模索する論集。若手研究者の論文を中心に収めたものです。静かな革命が本当に革命であったのかについては、個人的にはいささか疑問を感じています。もともとデュルケムもタルドも、超越的な観点を排して関係から生起するものを見ようとしていたわけですし。他にも批判できそうな場所は多々あります。とはいえ、人類学の先行きに対して極めて意識的な著者らによる喚起力に満ちた本書が、10年代日本の人類学を印付ける一冊となることだけは間違いないでしょう。2012/03/31

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