内容説明
超大型台風が上陸し、気象庁の田久保は進路分析や避難勧告を出すために奔走。関東で土砂災害が次々と起こり、田久保の家族も巻き込まれる。妻や子どもが逃げ込んだ避難所自体が危険な地盤上にあったのだ。田久保はさらなる避難を促したが、風雨が激しく、遂に斜面が崩れる……。自然の猛威に翻弄される人間の焦燥と葛藤を描く戦慄の予言小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
タルシル📖ヨムノスキー
23
高嶋さんの台風モノといえば〝東京大洪水〟を思い出すが、コレは切り口が少し異なる。自然災害の脅威として台風を扱っているのは同じでも、メインは気象庁に勤める田久保一家と、自衛隊員中村に起こる台風には直接関係ない日常の出来事。それは田久保家では老人介護問題や不倫問題、思春期の挫折といじめの問題であり、自衛官中村は叔父との関係。いわゆる現代社会の問題をたくさん取り上げた形で、それらがそれぞれ個人の心に吹き荒れるハリケーンという位置づけなのかもしれないが、エピソードがてんこ盛りな分、それぞれが唐突で薄味に感じた。2020/07/16
うめ
18
ここ最近のスーパー台風に向けて読んでおこう、って思ったのに、タイフーンはもちろんのことハリケーン要素も皆無なのだがどうしてしまったのか。本当はもっと長編にするつもりだったのかなとは思うけど、それにしてもこれは、、、2019/11/02
Gonzou82
17
面白くなくはなかったけど、いろいろ伏線張った割には回収がなく台風去ってその後は何もなし。その台風も臨場感無く、一つの台風被害の顛末記みたいな感じ。作家が伝えたかったものは何なのか解説読んでもピンと来なかった。確かに最近の異常気象は怖い気がする。暖冬はいいけどこの先の更なる異常気象を予感させます。2020/01/30
のりちゃん
11
「首都感染」を読んでからの2作目。「首都感染」の方は、臨場感あふれる展開だったけど、こちらは災害時の描写というよりも、災害にあった人、災害防止に関わる人の生活を中心に書かれていたので、読みもの的にははらはらするような展開ではなかったけれど、今の温暖化による台風の増加は、今までは大丈夫とされていた土地でも、今後は土砂災害が起こりえるという警告として、読んでよかったと思う。2020/05/24
♪りんまま♪
10
タイトルから想像するような内容ではなかった。志保が出てくるたびにモヤモヤするし。これは必要だった? とりあえず自分が住んでる場所のハザードマップ確認しておこう。2019/11/10