講談社文芸文庫<br> 狼の吐息/愛憎一念 藤澤清造 負の小説集

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講談社文芸文庫
狼の吐息/愛憎一念 藤澤清造 負の小説集

  • 著者名:藤澤清造【著】/西村賢太【編・解説・その他】
  • 価格 ¥1,881(本体¥1,710)
  • 講談社(2019/08発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
  • ポイント 510pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784065166772

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内容説明

蘇える木枯しの文士“どうで死ぬ身の一踊り”を実践し、自ら破滅へと向かった大正・昭和初期の私小説家。その生涯を賭した、不屈の「負」の結晶。藤澤清造生誕一三〇周年貧苦と怨嗟を戯作精神で彩った作品群から歿後弟子・西村賢太が精選し、校訂を施す。新発見原稿を併せ、不屈を貫いた私小説家の“負”の意地の真髄を照射する。芝公園で狂凍死するまでの、藤澤清造の創作活動は十年に及んだ。貧苦と怨嗟を戯作精神で彩ったその作品群から歿後弟子・西村賢太が十九篇を精選、校訂を施す。不遇作家の意地と矜恃のあわいの諦観を描く「狼の吐息」、内妻への暴力に至る過程が遣る瀬ない「愛憎一念」、新発見原稿「乳首を見る」、関東大震災直後の惨状のルポルタージュ等、不屈を貫いた私小説作家の“負”の真髄を照射する。西村賢太登場時すでにして古めかしいと評され、冷笑視されてもいたその文体だが、当然、小説が日記やレポートの類と違うのは、それが読者に読ませるものでなければならない点にある。その上では何んと云っても文体がモノを言ってくるわけだが、清造の場合、自らの古風、かつ独自の文体をより強固に支えるに戯作者の精神を持ってきた。そこが良くも悪くも、凡百の自然主義作品とは大きく異なるところである。「解説」より

目次

(小説)
一夜
けた違いの事
秋風往来
刈入れ時
狼の吐息
母を殺す
愛憎一念
予定の狼狽
赤恥を買う
雪空
此処にも皮肉がある 或は「魂冷ゆる談話」
土産物の九官鳥
(新発見原稿)
乳首を見る
(戯曲)

愚劣な挿絵
(ルポルタージュ)
生地獄図抄
われ地獄図をめぐる
焦熱地獄をめぐる
めしいたる浅草
解説・年譜・著書目録

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

gtn

24
昭和6年発表「此処にも皮肉がある 或は「魂冷ゆる談話」」の一篇。泥酔して書いたのかと錯覚しそうになるほど、文章の体を成していない。「彼達および彼女達」というフレーズを繰り返したり、意味の通らない修飾をくどくどと書き連ねたり、一読しても頭に入らない。結論は「金が欲しい」ということ。当時、性病により、かなり精神が蝕まれていたらしい。それだけに、いびつながらも本能は露わになっている。2022/06/05

aloha0307

21
敬愛する西村賢太さんの各著に何度も登場し、押しかけるように”没後弟子”となった師:藤澤清造氏の19篇 太宰よりもさらに、貧苦と世の中への怨嗟を凝集させ戯作精神を強く感じた。晩年は脳を病み、妻への暴力 その他狂態数多の末、昭和7年 芝公園のベンチで凍死...まさに凄まじさ至極で言葉が出ない。but人生に絶望しかけた読者に、その作品群は確かにそのまま響いたのではないか(共感 いやもっと的確な表現ないかな)。2019/11/16

 

1
「土産物の九官鳥」とか、モダーンな作品を目指して書こうとしているのは分かるのだが、空回りしすぎて、どうしようもない珍品に仕上がっている。金がない金がない金がないという小説を書き続けて、最終的に時代に迎合するかのように書いた作品(しかし、それが気持ち悪いほどずれている)が、最後の作品になっているというのは、悲惨さを通り越して、ほとんど喜劇だろこれ。2019/12/22

時をかける牛丼

0
「雪空」で語られる貧乏哲学の説得力がハンパない。 角川文庫刊「藤澤清造短篇集」を読んだ時は、その借金哲学に驚かされたが。2021/03/14

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