内容説明
緑豊かな国で、縄文の時代から現代まで、人々はさまざまに自然の恵みを活用し、
時には痛めつけ、一方でその大いなる存在を敬い、畏れ、愛でてきた。
万葉集に登場する数々の草花、戦や築城による森林破壊、
江戸時代の園芸ブーム、信仰と自然の深いつながりが息づく年中行事など。
日本人の自然観はどのように育まれていったのか。
そしてそれは、どのような文化を生み出していったのか。
日本人と自然の深い関わりを見つめ、
これからの私たちが自然とどう向き合っていくべきかを問いかける。
目次
序章
第1章 日本の自然と風土
1 日本の自然
2 日本の風土
3 神話の自然観
4 大地と信仰
5 山水と仏教
6 昔話にみる自然観
第2章 自然との共生
1 定住生活以前の風土
2 定住生活の始まりと自然の利用
(1)縄文人の台頭
(2)落葉樹林帯と照葉樹林帯の違い
(3)縄文人の食料事情
(4)クリ材の利用
3 北方系と南方系の自然利用
4 縄文人の自然観
5 縄文人と山
6 非稲作民と山間地域
第3章 自然と信仰
1 三輪山と富士山
2 農耕と祭祀
3 自然の中の暮らし
(1)正月
(2)春を迎える行事
(3)夏の行事
(4)盆の行事
(5)秋から冬にかけての行事
(6)冬の行事
第4章 花卉(かき)と日本人
1 花への関心
2 サクラの品種の変遷
3 自然界と花
第5章 近世の都市と自然
1 自然と人工
2 環境と再利用
(1)都市の実情
(2)人気の高い下肥
3 「もったいない」の文化
第6章 森林の破壊と再生
1 古代から中世の略奪期
2 近世の森林破壊
3 近代の森林育成
4 明治時代以降の森林事情
5 輸入材の変遷
6 森林と温暖化
7 森林と日本人
第7章 自然と環境問題
1 エネルギーと自然
2 食料生産と水問題
3 ごみと環境問題
終章
参考文献
あとがき
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