内容説明
1954年、大分の小鹿田を訪れたイギリス人陶芸家バーナード・リーチと出会った高市は、亡父・亀乃介がかつて彼に師事していたと知る。──時は遡り1909年、芸術に憧れる亀乃介は、日本の美を学ぼうと来日した青年リーチの助手になる。柳宗悦、濱田庄司ら若き芸術家と熱い友情を交わし、才能を開花させるリーチ。東洋と西洋の架け橋となったその生涯を、陶工父子の視点から描く感動のアート小説。第36回新田次郎文学賞受賞作。
目次
プロローグ 春がきた
第一章 僕の先生
第二章 白樺の梢、炎の土
第三章 太陽と月のはざまで
第四章 どこかに、どこにでも
第五章 大きな手
エピローグ 名もなき花
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
222
4年前に読んだのですが、陶磁器(特に小鹿田焼)の話に興味がありまた読んでしまいました。主人公はバーナード・リーチですが、そのリーチを補佐する親子がある意味原田さんが自分だったらという感じで書かれていて作者の分身のような感じでした。その親子以外は実在の人物ばかりなのでしょう。白樺派や高村光雲親子、河井寛次郎、濱田庄司(リーチに同行してイギリスでリーチの焼き物づくりを助けた)、柳宗悦などなど数多くの人物が出てきます。とくに柳の人物像は面白く岩波文庫やちくま学芸文庫で彼の本を再読しようという気になりました。2023/10/21
Aya Murakami
215
ナツイチ2019対象本 リーチ先生…。たしか好書好日でも取り上げられていた人物です。たしかその時に初めて名前を知ったので。 イギリスから日本、そして中国へ行ってまたまた日本に舞い戻り…。民芸という素朴なイメージに反してエネルギッシュな人物像が伝わってきました。むしろ対比としておたがいを引き立て合っているのかもしれませんが。 リーチ先生とかかわった白樺派の皆様も調べてみるとエネルギッシュな皆様だったようです。作中では出てきませんが当時の武士道に対立しまくっていたようで…。白樺派…、読破目標に加えてみようかな2020/01/06
相田うえお
146
★★★☆☆19082 凄い重い作品でした(重量が)。NHK朝の連ドラで楽しみたくなるような長い時間軸を持った話。最近でも日本の文化、日本の伝統、日本の心に魅力を感じで日本に来る外人の方がいますが、その辺の日本人よりも極めているんですよね。立派だと思いつつ、日本人が自国文化を知らない事が恥ずかしくもなります。当方、『陶芸』体験教室で『湯呑み茶碗』を作った事があります。もちろん陶芸家になりきって作りましたよ。出来た作品は厚ぼったくて重い〜(重量が)なんちゃって作品でしたが、自分で作った愛着から大切にしてます。2019/09/01
kanegon69@凍結中
144
いやぁ、やっぱりスケールが違いますねぇ。物語への惹きつけ力も半端ない。明治・大正・昭和を生きたバーナード・リーチという、陶芸で日英の架け橋となったアーティストの壮大な物語。本当にこんなすごい人がいたのか!と思ったら、やっぱりいたんですねぇ。マハさんの参考文献の量が半端ない!小説では沖亀之助と高市の親子の視点で書かれていますが、この二人はフィクション。しかしマハさんのマジックで、本当にこんな人がいるんじゃないか、いやいてほしいと強く願ってしまうような、愛すべき人物像が圧倒的な仮想リアル感で書かれています。2019/11/12
佐々陽太朗(K.Tsubota)
130
沖亀之助とその子・高市は実在の人物では無く、著者が物語の中で作り上げた人物のようである。第三者たる亀之助の目を通じることによって、リーチと柳宗悦や武者小路実篤ら白樺派の若者、のちに陶芸家として偉大な足跡を残す富本憲吉、濱田庄司、河井寛次郎らとの交流を読者は目の当たりにするように知ることができる。しかし亀之助のリーチ崇拝ぶりが極端すぎて鼻白む場面もある。しかしそれも陶芸家として成功を収めた息子・高市がすでに九十歳になるリーチに会うためにリーチ・ポタリーを訪れるという美しいエピローグに救われている。2019/08/03
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