中公文庫<br> 老いへの不安 歳を取りそこねる人たち

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中公文庫
老いへの不安 歳を取りそこねる人たち

  • 著者名:春日武彦【著】
  • 価格 ¥858(本体¥780)
  • 中央公論新社(2019/07発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29),中央公論新社 GW特大フェア ポイント増量!(~5/12)
  • ポイント 280pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784122067448

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内容説明

老いについて語ることは、幸福について考えることに重なる――。認知症への恐れ、歳を取りそこねるために生じる恥や勘違い、若さへの見苦しい執着。一方、歳を経たがゆえの味わいとは。精神科医が、臨床現場や文学作品のなかに、身につまされる事例や望ましい「年寄り」の姿を探る。哀しくもおかしな老いの見本帳。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

阿部義彦

17
精神科医の春日武彦さんの、老いに関するエッセイと簡単にはいえないかなあ?可也文学寄りで、文学の中に出てくる年寄りに寄せて、感想や新たな生き方を模索したり、他山の石として、こうはなりたくないなあ、等と嘆息したり。味わい深い読み物です。吉行淳之介さんと植草甚一さん等も面白かったし、可也マイナーな作家の年寄りの振る舞いや、実際に著者が見聞きした、不思議な年寄りの話なども参考になりました。60前後で突然警察沙汰になる年寄りが増えてるそうで、自分も含めてそうならないように自戒したのも含めて面白かった。2019/08/10

amanon

6
ごく最近の作品かと思えば、実際は九年前に出たものだとのこと。当時の著者と同じく五十代の渦中にある者として何かと身につまされる記述が多い。「ああ、俺もこんな風においていくのか…」と。それと共に本書にこれでもか!というくらいに登場する滑稽で、はた迷惑で、でもどこか憎めない老人のエピソードがまさに「味わい深い」。また、老いの在り方が大きく変化し、昔のような典型的な「老人」になることが難しい…というか、殆ど不可能になったという事情を改めて認識。上の世代の年の経方が殆ど参考にならない現状から一体何を学ぶべきか。2020/03/18

coldsurgeon

5
表面的にあるいは内臓を含む身体的劣化が、老いることだと思っていると、大きな勘違いを生むことになる。中年から老いを自覚していたが、どうも老人になることに不安というか危惧を抱いていたようだ。老人になるというのではなく、年寄になることを意識しなくてはいけないようだ。いろいろな文学作品(その多くが、未知であった)の引用で、老いることを考察している。意外と面白かった。2019/10/01

出口求

5
春日先生ファンであれば思わず「ニヤリ」としてしまう、「老いる」から連想される思考・小説などをまとめた一冊。ちなみに執筆当時はまだ50代だったようで、「鬱屈精神科医」シリーズで登場するお母さまの話などが出てきます。当方30代後半ですが、身につまされる文章だらけです。粋に思われよう、かっこよく老人になろうという意気込み自体がすでにあからさまで恥ずかしいとか、歳をとっても悩み事は尽きることがないとおっしゃる春日先生。やっぱりそうなのかという気持ちになりました。2019/08/05

Ryoko

4
このての本は耳障りの良い文章が並べられたものが多いけど、この本は違った。「こんな風に書いていいの?」と思うくらいはっきりと書かれている(作家さんに対する悪口多し)。その分深く頷ける箇所もたくさん。男性は定年間際、女性はもう少し早い時期に「老い」を感じて精神的に落ち込むとあってなるほどと思った。女性は見た目、男性は仕事に拘っているということか。2019/06/30

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