内容説明
第六十二番監獄。明治の初めに北海道の奥地に建てられたその監獄は、収監されれば二度と出られないという噂から、〈黒氷室〉の異名で恐れられていた。〈黒氷室〉行きとなった青年・北浦は、奇妙な囚人たちに出会う。三度目の脱獄を目論む不死身の男・赤柿、帝都の私立探偵だという浮世離れした美青年・御鷹、そして閉ざされたはずの監獄に、ある日突然現れた記憶喪失の男。こいつは誰で、どこからやってきたのか? 謎を探るうち、北浦は監獄の〈本当の目的〉を知る!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
あも
86
明治時代の北海道。街からは馬車で一日以上かかる湿原のただ中にある巨大な監獄。牢獄・塀だけでなく雪、オオカミ…自然が脱獄を阻む…ってところで、思わずゴールデンンカムイィィ…って叫びそうになったけど、なんかちょっと違った笑。まぁ、時喰っちゃうんだもんね。隣の囚人はよく時喰う囚人だよね。脱獄を試みる磊落な囚人の男、くせ者の囚人、典獄の陰謀、記憶喪失の謎の男…と膨らんだ期待感は中盤を過ぎて時がアレしてから、あれぇ…って感じに。決して、つまらなくはなかったけど、最初の勢いで突っ走ってくれたらと思わずにはいられない。2019/09/17
sayan
49
著者初読み。週末午後に流し見するB級ドラマ、某所で見た感想に思わず膝を打った。本帯にはミステリーとあるが、その要素は強くない。物語の展開スピードもよく、なんだか「アクション・シーン」も多く言うなれば、プリズン・アドベンチャーか。そのため、米ドラマ「プリズン・ブレイク」のようなストーリー展開をイメージするが、随分違う。手軽に読み進めることができる反面、SF要素部分、登場人物の心理面の描写があっさりしている。そのため物足らなさを感じる時もあった。2020/04/19
カノコ
41
北海道の奥地に建てられ、一度収監されれば二度と出てこれないと恐れられる監獄〈黒氷室〉。脱獄を試みる囚人、浮世離れした帝都の探偵、記憶喪失の男の命運が絡み合う。粗筋は物凄く惹かれたのだけど、終わってみれば何の話なのか分からなかった。ありとあらゆるエッセンスを詰め込んでかき混ぜた結果、何の味か分からなくなってしまったような読み心地。脱獄の作戦や囚人たちの生活を描いた物語の前半部分はすごく面白かったのだが、終盤は完全に物語から落ちこぼれてしまった。それにしても、相変わらず作風が掴めない作家だ。2019/10/18
うまる
37
明治初めの監獄を舞台に、様々な人の思惑が絡み合うプリズンミステリー+α。序盤は脱獄物語と監獄生活の話で、プリズン・ブレイクを彷彿とさせるのですが、突如趣向がガラリと変わります。『夜の床屋』もそうでしたが、こういう展開はとても好き。あちらは連作でしたが、長編だとこうなるのかという感じでした。まぁ察しの良い方はタイトルでなんとなくわかるかな。監獄内での身の危険もありつつ、各人の利益のために翻弄される主人公が面白かったです。最後の決着の付け方になるほどとなり、読後表紙を見ておぉ!ってなるのがまた良かったです。2021/08/06
あっちゃん
31
北海道の原生林の中に作られた監獄を舞台におきるSFエンタメ作品!タイムパラドックスを前提にして計画されてる辺り斬新?(笑)主人公の仲間達は良い感じのキャラが多くて高感度バッチリ( ̄▽ ̄)2020/04/14
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