内容説明
四十三歳の宇津井茂美はいまだに男性経験がない。自分と似た境遇の伯母が入院してしまい、独り身の行く末を案じていた。両親が伯母を見舞いに行ったため、代わりに父親の知人を接待することに。おくての茂美は、訪ねてきた三人が素敵な男性だと分かり、狼狽えるが……(「小包どろぼう」より)。大人の恋愛は複雑で苦い。だけど、どこか甘い。心にしみわたるアラフォー女性への応援歌。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
47
面白かったです。6篇のアラフォーの物語。それぞれが選ぶ道があり、歩んでゆく。甘さはより甘く見える時期なのかなと思いました。2021/02/26
siro
30
けっこうストレートなエロい表現があったけど不思議と嫌じゃなかった。自分と同世代の女性の気持ちそのままリアルに表現されているようで「あー、そうそう。」と共感したりなんか恥ずかしくなったり。「小包どろぼう」が良かった。ちょっとだけの前向きな終わり方で気持ちがいい。ちょっとだけの所が。目次に隠された遊び心も面白い。2014/04/02
coco夏ko10角
23
6つの作品収録の短編集。アラフォー女性たちの物語。『誦文日和』は女と女だなぁと思う。タイトルに関しては解説で言われるまで気づかず。2020/05/07
いたろう
22
アラフォー女子ばかりを主人公にした短編集。ほとんどが独身で切羽詰まっていながら、朝倉かすみの筆にかかるとどこか滑稽。3編めと6編めに共通して登場する4人のアラフォー女子のやりとりが可笑しい。かしましいやり取りの中、1人ずつの現実の姿に焦点を当てていく連作短編として、もっと繋げたら面白いと思う。2013/09/20
巨峰
20
尻取系短編小説集。勿論タイトルに惹かれてよんだ。40代前後の女性の性と愛と生活がテーマだが、露悪的であっても、そんなにエロスはなし。ただ、読み進むにつれて登場人物たちが、なんだかとても愛しい存在と思えてきた。いろいろあるがな〜2012/08/26